
いつも小説家になろうグループをご利用いただきましてありがとうございます。
この度、チャレンジ企画「お題で飛び込む新しい世界」の受賞作品、12作品が決定いたしました!
受賞作品、並びにいただいた感想を発表いたします!
■赤池 宗 先生からの感想プレゼント受賞
・異世界大陸軍戦記-鷲と女王-
重厚な文章であり、しっかり歴史とファンタジーを調和させた戦記小説という印象を受けました! 情景描写でもキャラクターの所作一つでもきちんと描かれていて、私よりも遥かに高い文章力をお持ちだと思います。その分、キャラクターが少しコミカルに感じるかもしれませんが、それが良い緩急になっているとも感じました。
最初に史実のナポレオンが登場すると思わせ、実はナポレオンは女だった! といった驚きがファーストインパクトになり、さらに異世界へ! 連続で衝撃的な話が出て、これは面白い始まり方だと唸ります。もちろん、先が気になるストーリー構成も見事です!
ただ、せっかくの異世界行きがふわっとしてしまった印象も……可能なら、異世界に降り立って少しして、明らかに地球ではないと気が付き、驚くシーンなども欲しいと思いました。個人的な感覚ですが、地球ではありえないような美しい風景や、未知との遭遇での緊迫感などが分かりやすく訪れるとワクワクします。
また、主人公が冷静で感情の起伏が少なめなのはクールで良いのですが、物語の起伏にも関わってくる為、他のキャラクターで大げさなリアクションなども入れてみて良いかもしれません。
・計算士と空中戦艦
とても文章力のある作家さまによる本格ファンタジー戦記小説という印象です! 先に書かせていただきましたが、しっかりとした情景描写や専門的な部分、キャラクターの造形など、文章としての完成度を感じさせます! 私よりずっとお上手です!
また、キャラクターも個性があり、ギャップもしっかり意識されていて魅力的です! 物語はテンポがとても良い点も素晴らしいと感じております! ただ、そのテンポの良さがあるだけに、砲撃シーンなどで地の文が少し長く感じてしまうかも。。。
また、天才肌な計算士という主人公がお酒を飲んで乱れてしまうというギャップも良いですが、もう少し控え目にすると更に読みやすくなるかもしれません! もちろん、これは読者の好みの部分もあるので、あくまで個人的な感想です。
もし加筆が可能であれば、せっかくのロマン溢れる巨大空中戦艦や爆撃艦なので、物語の序章で地上からその光景を見て、迫力ある空中戦艦に驚愕や憧れといった感情を描くことができると更にぐっと引き込まれやすくなるのではと感じました。
これだけしっかりと描かれている作品ですから、是非とも序章で読者へのつかみが強くなるように執筆していただけたらと思います!
・異世界領主『サーリスト戦記』~最弱だけど天下統一目指します~
前向きでコミカルなキャラクターとテンポの良い展開がとてもお上手な作品でした! 自分がやりこんだゲームの世界に入り、そのゲーム知識を使って厳しい状況を打破していく! 読みやすくて、続きが気になるストーリーもとても良いと思います!
そのストーリーについてですが、まず、最初の入りが分かりやすくて、異世界に行ったところでも主人公がかなり厳しい状況に置かれるのだと暗に伝わって良かったです! 戦争を絡めると重くなりがちですが、ギャグ多めで展開も早いので全体的に暗くならずに良い雰囲気を維持できていると思います。
惜しむらくは、テンポを速くする為だと思いますが、途中の情景描写が一気に薄くなり、場所によっては擬音一つという場面もあります。せっかく楽しいキャラクターが面白い物語を紡いでくれているので、キャラクターの表情や見せ場での情景描写にも力を入れると更に面白くなりそうだと感じました!
■有山リョウ先生からの感想プレゼント受賞
・アウトサイダー
文章力は高くて、問題なく読むことができました。
SFが舞台でしたが、こちらもしっかりした世界を書けていると思いました。
キャラクターも癖があってよかったと思います。
問題点としては、問題の解決と敵の打倒が少なかった点があるかなと思います。
エンターテイメントとして「主人公が謎にぶつかる」「謎を追いかけていると敵や障害が現れる」「それらを解決する主人公」「秘密の一端を知るも、新たな問題が発生する」「そしてそれを解決する主人公」
といった具合に、ストーリーの展開に合わせてバトルや敵との対峙、困難の打倒を上手く絡めるべきです。
今回主人公は軍人でパイロットだったので、それらの困難や敵の配置は簡単だと思います。
スリルのあるバトル展開を意識して、ストーリーはその後に少し進行する。これぐらいの割合で進めていくといいと思います。
また次のステップアップとして、驚きや意外性を意識しましょう。
SFを書く時の弊害として、作者が世界観と共にストーリーを作り込み過ぎてしまうため、どこか予定調和的なストーリーラインとなることがあります。
物語に起伏を大きくつけて、読者の感情を常に揺さぶる。このテクニックを覚えましょう。
文章はしっかりしていたと思うので、構成力が高くなると格段に良くなると思います。
これからも頑張ってください。
・ロゼッタ・ストーンの時代 ~プトレマイオス朝エジプト戦記~
読み応えのある戦記でした。
主人公が医者ゆえの合理性があり、それが戦場にマッチしたと言うのも納得がいくいい配置でした。
また文章もしっかりしていて良かったと思います。
主人公の人生を丁寧に描いていて、そこも良かったです。
問題点を感じたのは三つ。
一つ目は冒頭で主人公が何をする人なのか、掴みにくかった点がありました。
主人公が戦いに行くまで結構なページがあるので、ここは構成で対処すべきだったと思います。
対策としては「見習い医師から隊長に~」の章で戦争に参加するわけですが、このシーンを冒頭に持ってきて「隊長が死ぬ」「代わりに指揮を執る」「華麗に勝利」
と書いて、そこから主人公の生い立ちなりを書き始め、冒頭のシーンにつなげるべきだったと思います。
二つ目の問題点として、主人公の敵役が不在だった点があると思います。
敵役が不在だったため、主人公の魅力が伝わりにくい点がありました。強い敵を出し、その敵を主人公がかっこよく倒す。
主人公がいかにして戦い、強敵に勝利したのか。ここを書かないのは損だと思いました。
三つ目の問題点は女性の不在。
これはあとがきでも書かれていましたね。
戦記物だとどうしても女性が出てこないことは多いのですが、そこは工夫して出すべきでした。
主人公の副官、敵将の妻で知恵袋。といったやり方で出すことはできたと思います。
戦場に女性がいると、リアリティーを損なう部分は確かにあります。ですがエンターテイメントとしては、女性を出すべきだと思います。
全体としてはしっかりとした話の造りでよかったと思います。
これからも頑張ってください。
・講和条約の闇に消えた“空白の戦記“ ―あの大崩落事故は二人の心中劇だったのか?―
互いの顔を知らぬ二人が愛し合うも、敵と味方に分かれて戦いあう。という設定は悲劇的で美しく良かったと思います。
また冒頭に出て来た喫茶店の経営者たちが、その二人ではないかという暗示も良かったです。
読者に展開を予想させると、それを確認したくなる効果があるので、ここは「読ませる」いい展開でした。
ただそのやり方で行くと、冒頭で登場人物の一人が「この二人がもしかしたら……」と思うシーンは蛇足かもしれません。
そこまでしなくても、わかる人には「あっ、この二人が例の二人何だろうな」と予想するので、提示しすぎるとかえって後の楽しみの足かせになると思います。
また読者に予想させた後、最後に裏切ると言う驚きも一つ欲しいかなと思いました。店の経営者があの二人だと予想させて『実は二人はカヌートとエムリスの副官で、死んだ二人の代わりに夢をかなえた』といった予想させて裏切るオチ。というのも一つの方法だと思います。
あとはエムリス側の視点も欲しかったです。彼女も殺伐とした戦場でカヌートの手紙を心の支えにしていて、彼に会いたいと願ういじらしさがあれば、より魅力的になったでしょう。また悲劇性、すれ違う二人を演出するシーンも欲しかったです。二人がそうとは知らずに出会うシーンや、仲間を殺された仇として憎しみ合うシーンなどもあってもいいかと思いました。
全体として題材がよく、美しさがあってよかったです。
これからも頑張ってください。
■佐槻 奏多先生からの感想プレゼント受賞
・劣勢の戦場で敵将を討ち取った俺、気づけば公の右腕にされた件
王道戦記の期待が持てる始まり方が良かったです。
やはり軍同士の激突は、戦記物としてとてもロマンを感じますね。
戦場での描写も緊迫感があって良かったと思います。
群像劇視点であることも、あちこちの状況がわかって面白く読むことができました。
ヴァルゼン公の中世貴族らしい行動や豪胆さ、侵略への野心なども、とても興味深く読み進めることができました。
またグレンが戦功を勝ち取ったと思ったら、無一文部下無し状態で築城しなければならないのも、領地運営や、開拓の物語が好きな読者にも、楽しんでもらえるストーリーだったと思います。
酒場でみぐるみはがされる部分でも、結婚にまつわるやりとりの部分も、グレンの人となりが表現されていて良かったです。
ヴァルゼン公との信頼感が増していく様子も、立身出世物語としてとても楽しく拝見させていただきました。
今後どうなっていくのかが気になる物語でした。
・灰色の王国
未来の世界からの魔法のある超能力がある世界への転換の物語、とても目新しくて先を期待させる設定でした。
結果、軍が組織されている世界になったというのも興味深かったです。
この設定でよく見かける冒険者達による物語ではなかったことも、個人的に新鮮で良かったと思います。
主人公の魔法を上手く扱えないという設定も、世界の説明や、魔法についての考察に読み手の興味を向ける良い方法だったと思いますし、戦闘力が高い設定も、いずれ活躍してくれそうな期待を感じられて良かったです。
一番特徴的だと感じたのは、バトルスーツの設定でした。
他の作品との差別化ができていて、この設定が好みの読者にはとても刺さると思います。
仲間達もとても魅力的に描けていると感じました。
キャラ同士の軽妙な掛け合いも心地よかったです。
これから仲間たちと、マトリックスのエージェントのような敵も出てきて、どのように戦っていくのか、味方の苦境の様子などもとても期待できる作品だと感じました。
・折れ枝のジーナ -- 奴隷少女の生き残り戦記 --
奴隷からの立身出世物ということで、題材にとても興味をひかれる作品でした。
読んでみると、主人公の立場の悲惨さや、辛さなどもとてもよく描けていらっしゃいました。
それでいて、悲惨さの描写も読み手がぎりぎりで許容できるだろう部分を選択しているように思いました。
この悲惨な境遇や主人公のハンデなどから、どうやって這い上がっていくのか、這い上がった先で何を選ぶのかと気になって、序盤から読み進める力を持っている作品です。
闘技場での戦闘も、緊迫感や動きがわかりやすく、とても読みやすかったです。
酷い状況からの救い手が現れて、今後の展開がとても楽しみです。
また恋愛要素もあるようなので、そちらで興味関心をひかれる読者さんも多いのではと思えます。
設定や描写がリアル寄りだからこその、血と土にまみれた骨太の戦記が読めそうで、とても期待が持てました。
この主人公にはぜひ勝利を勝ち取ってもらって、幸せになってもらえたらいいなと感じました。
■ほのぼのる500 先生からの感想プレゼント受賞
・黄金が再び輝く時 〜あの日僕は、"勝者なき戦争"を阻止すると誓った〜
「――あの日、最愛の人の首が僕の目の前で落ちた。」を見たのが不死の戦士だったという点に興味を引かれ、今回は選ばせていただきました。
主人公はプロローグで登場した不死の戦士なのかと思いましたが、第一章が始まると視点は底辺騎士のレイモンだったので、どこで不死の戦士が登場するのか、わくわくしました。
でも、第一章では不死の戦士は登場せず。
ただ、もしかして彼は何かを知っているかもしれない。
いや、彼こそが未来の不死の戦士だったのかな?と思ったセレストの登場に、彼の行動が読み進めるとどんどん気になっていきました。
私は、レイモンの成長の描き方が好きです。
一年目、二年目、三年目は頑張ったけれど駄目だった、というのが短い文なのに、しっかりと伝わりましたし、「四年目、五年目、六年目はあっという間に過ぎた。」という書き方で、成長できなかったんだなと想像ができました。
私は、色々書き込んでしまうタイプなので、短い文書でしっかり伝えられる書き方が羨ましいです。
卒業試験のシーンでは、それぞれの個性がわかりやすく、アデルの暴走を上手く戦いに組み込んだ作戦など、見所がいっぱいありますが、そこでもレイモンは弱いとわかる書き方が良いです。
試験に勝ったと思った次の瞬間始まる、裏切りと命をかけた戦闘。
一気に緊張感が高まる書き方に、既に15000文字は超えていましたが、第一章を読み終えるまで止まれませんでした。
レイモンの成長と、不死の戦士で時間を戻したセレスト。
一人は仲間を得てゆっくりでも成長していき、その裏でたった一人、未来を変えるために孤独な戦いを続けていく。
未来に起こる「勝者なき戦争」を阻止するためなのでしょうが、セレストのこれからがすごく気になりました。
一つだけ、第一章のレイモンの説明から、向上心がないひ弱な男性をイメージしてしまいましたが、弱くても訓練を受けている為、少し違和感を覚えました。
レイモンの見た目や体格などが書いてあればよかったなと思いました。
・天翔ける悪役令嬢と死の接吻〈改〉 (Der fliegende Bösewicht und der Todeskuss)
『私、ブライアン・ハイランドは、マルガリア・フォン・アンベルクとの婚約を破棄する!』から始まったので、乙女ゲーム系と一瞬思いました。
でも、それが戦艦の中から見ている風景に移り変わったため、悪役令嬢と戦艦という不思議な組み合わせに興味が湧き、今回は選ばせていただきました。
主人公は、悪役令嬢ではなく訳ありの戦艦に乗っている艦長。
艦長と副長の会話から、どことなく嫌な予感を抱かせる描き方に、楽しめそうだとわくわくしました。
私は戦艦について全く知りませんが、わかりやすく説明を入れてくれて、しかも緊迫した戦況を組み合わせた描き方が、とてもうまいと思います。
そして、悪役令嬢と言われたマルガリア皇女の登場に、これは新たな問題を抱えることになったのではないかと思い、期待が高まりました。
戦況が怪しくなっていくという少し暗くなっていくストーリーなのに、船長と周りとの会話がコミカルで読みやすく、途中、乗組員たちが死んでもいいと選ばれた衝撃的なシーンなのにマルガリア皇女の一言が絶妙で、そして艦長の心の声が面白く、思わず笑ってしまいました。
登場人物、特にマルガリア皇女が際立っていますが、それぞれ個性的なキャラクターで、そんな彼らの絡みが本当に面白い。
敵側のキャラも残念さをにじみ出しながら、彼らもまたいいように利用されているようなにおわせ方もいいですね。
タイトルの意味がしっかりわかる書き方は、羨ましいです。
そして戦争に勝利し気づけば皇女の配偶者という立場になった艦長にちょっと同情しながら、知らない者から見ると、戦争の英雄が守り切ったお姫様と結婚する。
これはご褒美に見えるのかと、最後まで面白く纏められていて感嘆でした。
私だと余計な事を追加しそうなので、必要な部分を面白く、そしてわかりやすく書けるところが羨ましいです。
・報仇の剣 -萬軍八極編-
序章を読んで独特な雰囲気を持つ作品だと興味を引かれたので、今回は選ばせていただきました。
詳細に書かれている妖の姿は、一回でイメージするのが難しいところがありましたが、大鶚がどんな姿をしているのかわかると、物語への興味が増しました。
大鶚を倒した方士たちの姿も独特で、物語に個性を出していると感じます。
そして序章の最後に起こった、地鳴りからの巨大な地震。
次はどんな妖が登場するのかと期待が膨らみました。
第一章に登場する君主と三公に何か意味があるのかと思っていると、王子喬という新しいキャラクターが出てきて、最初は微笑んでいたので優しい人なのかと思ったのです。
でも「互いに殺し合え」という呪念。
驚きながら、王子喬が何をするのか、何が目的なのか、わくわくしました。
王子喬が解き放った邪の権化 蚩尤。
私は悪には、環境が作った悪と生まれながらの悪がいると思っています。
どちらも好きですが、どちらかというと生まれながらの悪のほうが私は好きです。
そして、蚩尤は生まれながらの悪だと思います。
特に、人に対する思いが全くない悪だとわかる描き方は素晴らしいです。
国を捨て逃げた君主を笑っていた三公が、蚩尤に膝をつく場面を読み。
君主と三公がいることで、簡単に人を殺める力を持つ蚩尤を前に、人の世界の権力など意味がないとわかりやすく表現しているのが上手いと感心しました。
序章に登場した方士たちと蚩尤が、どう戦っていくのか。
また、蚩尤に仕えることになった陽虎と裴巽が、蚩尤に仕えたままなのか。
途中で敵となるのか、先がすごく気になる作品だと思います。
受賞されたみなさま、この度は誠におめでとうございます!
なお、上記受賞作品と感想に関しましては、企画ページ内にも記載しております。
https://syosetu.com/event/newworld/
この度は本企画に多くの作品にご参加いただけたこと、小説家になろう運営一同大変うれしく思います。
今回の企画のために初めて戦記を書いた、初めて小説家になろうに投稿したという方もたくさんいらっしゃたのではないかと思います。
弊社開催の公式企画、外部企業とのタイアップコンテストは常時開催中となりますので、ぜひ今後も少しでも気になる企画やコンテストがございましたら、ご参加をいただけますと幸いです。
今後とも小説家になろうグループをよろしくお願いいたします。

