【お便りコーナー】第94回: ひつじのはね先生

小説家になろうをいつもご利用頂きありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者であるひつじのはね先生よりお便りを頂きましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、ひつじのはね先生より頂きました文面となります。

はじめまして、ひつじのはねと申します。
この度ツギクルブックス様より
『もふもふを知らなかったら人生の半分は無駄にしていた』
(https://ncode.syosetu.com/n7009fc)
第7巻が発売されました! コミカライズ版もKADOKAWA様より第3巻まで発売中です!

今回はこのようなコーナーがあることを知り、好奇心いっぱいで応募してみました。
ただ、こちらはアドバイス等を書く場所とのこと。
物書き経験の浅い私にアドバイスなど無理な話ですから、一例として情報の分母を増やす役割を担えたらと思います。

私は元々羊毛フェルト作家としても活動しており、その販促の一環として、自分の羊毛作品がどのような世界でどんな風に動き、生きているのかを伝えたいと思っていました。また、自分の小説ならば羊毛フェルトでコラボしても版権がいらない! なんて考えもありました(笑)
そんな中なろうさんを発見、一年ほどは夢中で上位ファンタジー作品を読み、いわゆるテンプレな作品が大好きになりました。なるほど、テンプレなるものがあるならまずそこから始めよう! と書きはじめたのが『もふもふを知らなかったら人生の半分は無駄にしていた』通称『もふしら』です。

ちょうどその頃、本業が多忙で心身が摩耗し、まともに本が読めなくなりました。時間的な猶予ではなく、心が受け付けなくなったのです。元来堅い文体の本が好きだったのにダメになり、山あり谷あり、激しく心揺さぶられるお話、謎が謎を呼ぶ複雑なお話……普通なら最高に面白いはずのそれらに心の体力が持たず、全く読めなくなったのです。

だから、お話を書くときにまず1つ、約束事を決めました。

○自分が、仕事で疲れて帰ってきても読める作品にすること。

つまり、私と同じように心が疲れた人が読めるお話にすること。

それに必要なこと。
それは、普通なら必要なはずの感情の上下する部分を削ること。何よりマイナスになる部分を削ること。HP1では、たった1の攻撃にも耐えられなかったからです。

ですが、単に平坦だとそれはそれで読む気にならないので、『心を可能な限りマイナスに振らずに、プラスの範囲内で振ること』と考えました。また、文体も耳に柔らかく優しいものにしました。
……とは言え、初心者のやることです。そうそう上手にはできませんよ!! けれど、できるできないはさておき、意識するのとしないのとでは段違い――だと思いたいです……。

そして、このお話は『心が疲れた人が読むためのお話』である。そういった芯をしっかり持つことで、色々な意見があっても最終的には揺れずにいられるのではないかなと思います。
激しく心揺さぶるお話ではないけれど、ほんのりと笑い、ほろりとする。読み終わったらなんとなく心が凪いだような……『もふしら』はそんな作品でありたいと思って書いています。

あと、私の個人的な信条として、自分の本は遊園地の乗り物と一緒だと思ってます。
どこかに行けるわけでもない、乗ったら楽しいだけの乗り物。それは役に立たない? そうではないでしょう。色々な感情の中でも『楽しい』という気分を作るのは、割と難しいことじゃないでしょうか。

ライトノベルの作品は、『楽しい』を作るのがとても上手な作品が多いですよね。それってスゴイことです。文章だけで『楽しい』を作り出せるんですから。

乗って、楽しかった。それだけでいいと思うんです。

私の作品がつまらなくても大丈夫、ここにはこんなにたくさん小説があります!(笑)コーヒーカップに酔う人もいれば、ジェットコースターに乗れない人もいますからね。

長々と読んでいただきありがとうございます! 
あ、羊毛にご興味のある方はぜひTwitterや上記小説ページ見に来て下さいね! ご自分のキャラを立体化すると死ぬほど愛おしいですよ!! 小説のことは聞かれても震える子犬になりますが、羊毛のことなら答えます(笑)

いつか、この文がどなたかのお役にたてればいいなと願って。