【お便りコーナー】第74回: いのり。先生

小説家になろうをいつもご利用頂きありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者であるいのり。先生よりお便りを頂きましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、いのり。先生よりご連絡いただきました文面となります。



お目に留めて頂いてありがとうございます。
お初にお目に掛かる方がほとんどかと思いますので、まずは自己紹介をさせて頂きます。
この度、GL文庫様から「私の推しは悪役令嬢。」を出版させて頂くことになりました、いのり。と申します。
このお便り欄にお手紙させて頂くのは長年の夢でしたので、それが叶ったことにドキドキしています。

お便り欄について、小説家になろう様の説明にはこうあります。

>他の利用者へのアドバイス、雑談などをお寄せください。

過去にこのコーナーへ届いたお手紙を拝見すると、前者が多いようです。
私は諸先輩方のように実のあるアドバイスは出来そうもありませんが、何かのきっかけになればと思って書かせて頂きます。

創作していて一番しんどいのは、自分で面白いと思って書いたものが評価されないことではないかと思います。
日間に載るなど夢のまた夢。
一日のPVが二桁にも届かない。
ネガティブな感情が鬱積して、ランキングに載るような作品にさえもネガティブな感情を向けてしまう……そんな時期があると思います。

そんな時はどうすればいいのでしょう。
基本的な文章作法が身についていない場合は、まずそれを身につけることが最優先だとして、そこから先は答えのない領域ですよね。
「面白い小説の書き方」には正解がありません。
ですから、作者のみなさんは七転八倒する訳です。
ではどうするか?
月並みなことしか言えませんが、私は思いつくことを全てやってみるのがいいと思います。

なろうで人気のある作品を分析する。
商業作品の書き取りをしてみる。
市販のハウトゥー本を読んでみる。
ネットのラノベ指南サイトを参考にしてみる。
メジャージャンルを試しに書いてみる。
自分の面白いと思ったものをただひたすら書く。

などなど。
どれが正解かなんて誰にも分からないのですから、とりあえず全部やってしまいましょう。
そうしてなりふり構わずもがき苦しんでいる内に、ある日、ブックマークやPVがぐんと伸びる日がやって来る……そういうものだと私は信じています。

もちろん、何も考えずに何となく書いた作品が、いきなり書籍化されるような才能や幸運の持ち主もいらっしゃるのでしょう。
でも、そういう方たちのことは参考にはなりませんよね。
才能や幸運が必要ないとはいいませんが、それで諦めてしまうには創作という行為はあまりにも面白すぎます。
最短コースを探すのではなく、全てのコースを探索し尽くす――そんな泥臭い創作論は今時流行らないかもしれません。
でも、それしかないと私は思います。
幸い、全部試すような小説バカはどうやら少ないようですし、迷ったら全部やってみるというのは案外いい方法なのでは、と個人的には思っています。

ただ、一点だけこれだけはと思うことは、評価されている既存の作品に対しては謙虚でいるのが健全ではないかということでしょうか。
評価されている作品に対して「どこが面白いかさっぱり分からない」となったら黄色信号だと思った方がいいと思います。
感性が衰えている可能性があるからです。
年齢を重ねると、人は自分よりも若い世代の文化が「みんな同じ」に見えると言われています。
それは実際には、自分の方が若い世代の感性について行けなくなっているのです。
そういう時は、若い世代の文化を貪欲に取り込む努力が必要になります。
小説に限らず、音楽や映画、テレビドラマなど、片っ端から「今」の感性を吸収するといいと思います。
もちろん、「自分の方が面白い物語を書ける」というような反骨心は持っていて損はないですが、その前提には「あの作品も面白いけど」というのがあった方がいいのかなと。

偉そうなことを書いてしまいましたが、私もまだまだ創作迷路で迷子になっている最中です。
総評価ポイントに関して言えば、先輩の書籍化作家様に比べてかなり低いという客観的な事実もあることですし。
ですがその分、評価が貰えずに悩んでいらっしゃる方々に近い立場だとも思っています。
これを読んで下さっている創作者の皆さん、より面白い物語の創造を目指して、お互い泥臭く頑張りましょう。

さて、少し拙作の紹介もさせて下さい。

作品名: 私の推しは悪役令嬢
著者名: いのり。
出版社: GL文庫
発売日: 2019年2月26日

「私の推しは悪役令嬢。」は乙女ゲームのヒロインに転生した主人公(♀)が、悪役令嬢(♀)を溺愛するお話です。
つまり、昨今にわかにブームとなり始めている百合なお話でして、ちょっぴり変化球な悪役令嬢モノになります。
悪役令嬢と聞いただけで回れ右されてしまうような読者様方にも、ぜひ読んでみて頂きたいです。
基本路線はラブコメで、時々シリアスが入ります。
書籍版では、他では読めないヒロインクレアの過去を描いた書き下ろしエピソードもあります。
イラストは花ヶ田様です。
花ヶ田様は、2018年Fate/Grand Order イラストコンテストにおいて最優秀賞のType-Moon賞を、第25回電撃イラスト大賞で奨励賞を獲得された実力派イラストレーターさんですので、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
花ヶ田様の美麗なイラストで彩られた拙作「私の推しは悪役令嬢。」をぜひお手に取ってみて下さいませ。

お手に取って下さいと言っておいてなんですが、拙著は電子書籍ですので、Amazon様でのみお買い求め頂けます。
誤解なさっている方が多いのですが、Amazon様の電子書籍はKindle端末がなくても、スマホに無料アプリを入れれば読むことが出来ます。
皆様の本棚を圧迫することもありませんので、一冊いかがでしょうか?(ダイマ
Amazon様のKindleUnlimitedを利用されている方は、そのまま追加費用なしでお読み頂けますので、ぜひご覧になってみて下さい。

長くなってしまいましたのでこの辺りで。
それでは、失礼させて頂きます。

いのり。

ツイッター:https://twitter.com/inori_narou