【お便りコーナー】第234回: 殿水結子先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である殿水結子先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、殿水結子先生よりいただきました文面となります。

皆様こんにちは。殿水結子と申します。

小説家になろうで連載している「娼館の乙女~売られた少女は推理力で成り上がる~」の2巻が2025年11月25日にブレイブ文庫から発売されることになりました。これも応援してくださった読者の皆様のおかげです!

公式サイト
https://hifumi.co.jp/lineup/9784824205261/

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小説家になろう
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さて、かれこれ公募・Web・商業小説を合わせて15年ほど書き続け、小説家になろうには82作品(約250万字)を書いて来た私が、〝沢山書くにはどうしたらいいの?〟〝もっと物語を完結させたい!〟という創作に貪欲な皆様にアドバイスがあるとしたら、それは大きく分けて三つほどあります。

①シンプルなテーマで書くのが完結への近道です

極論を言うと、完結出来るかどうかは冒頭で決まります。
冒頭に起こった出来事がラストにどう繋がって行くのか?
まずそれが読者、作者共にすぐ思い浮かべられるものでないと、完結させるのは難しいです。
素敵な女の子がかっこいい男の子と出会う。……とくれば、結ばれる。
敵に復讐するために立ち上がる。……とくれば、敵をやっつける。
母を訪ねて三千里歩く。……とくれば、母に会える。
「バスケットはお好きですか?」……とくれば、バスケが好きになる。
名作には名作たる所以があります。そうは思いませんか?
誰もが予想できない展開の話、誰もがゴールを思い浮かべられない話はなかなか完結出来ません。
また、たとえ完結させたとしても、読者を納得させられる完結にはならないと思います。



②下手でも辻褄が合わなくても、一度完結させてしまおう

物語を次々作るものの、まるで完結させられないという人がいたら、下手でもダイジェストでもいいので物語を一度完結させてみましょう。
スポーツの練習、楽器の練習をするように、何度も舞台を用意して、完結させる練習をして下さい。
それしか、小説を完結させる力をつける方法はありません。
無理やりにでも話を完結に引っ張って行く作業を繰り返す内に、なぜ完結させられなかったのか段々分かるようになって行きます。
一度完結させたら、次はその物語を改稿してみましょう。
苦しいかもしれませんが、問題点を洗い出してみましょう。きっと次の糧になります。



③心身共に健康であることが執筆継続の条件です

作家の悪い癖ですが、創作を加減なく続けてしまう人が多いようです。
最近もクリエイターの悲報が相継ぎました。病状を呟きながら病院へ行かないまま亡くなる漫画家さん、またライトノベルの賞を受賞したその数か月後に亡くなった作家さんなどがネットでも話題になりましたね。
クリエイティブ業というのは一般的に「突き詰める」印象があります。
なかなか結果が出ない不安を抱えたまま、しゃにむにひとりで創作を続けてしまう。
そういった危険性を孕んだ職種が作家業です。
なのでどうしても睡眠時間を削ってしまったり、ずっと同じ姿勢で飲まず食わずで作業したり、休息が取れず心が焦り続けるまま何か月もひとつのものに向き合ったりしてしまいます。
しかも、むしろそんな追い込まれた自分に陶酔してしまうことまであるのです。
はっきり言ってしまうと、別に追い込まれなくても作品は書けます。
眠っても、食べても、のんびりしていても、作品は書けます。
逆に、追い込まれようが、寝なかろうが、作品が書けない時は、書けません!
自分の体を追い込む前に、書き方や時間の使い方を見直して下さい。それが出来ないならば今後、書き続けてチャンスを掴むことは出来ません。
体を壊せば、継続的に書かなければならない作家業など、夢のまた夢になってしまいます。
長く書いて来たから言えることですが、クリエイティブ業において、成長が止まるなんてことはまずありません。
あまり焦らないでください。
死んだらその先に待っていたであろうチャンスも、磨いて来た才能も、全部消えてしまいますよ。

↓こちらでも創作へのアドバイス、ランキング攻略について多数掲載しているので、興味のある方は覗いてみてくださいね☆

なろう攻略ゆるメソッド〜書籍化するまで頑張ってみた作家のエッセイ〜
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以上となります。皆様、お互い楽しく長く健康に、創作活動を続けて行きましょう!