【お便りコーナー】第193回: 稲井田そう先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である稲井田そう先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、稲井田そう先生よりいただきました文面となります。

はじめまして、もしくは、お知り合いの方々につきましては、こんにちは、稲井田そうと申します。

はじめましての方向けに自己紹介すると、小説家になろうさんでサスペンスやホラーを混ぜた恋愛だったりそうではない繋がりを書いています。

商業デビューは「次期風紀委員長の深見先輩は間違いなく病気」です。誠実な変態と希死念慮の強い女の子の青春恋愛です。

代表作は「デスゲーム漫画の黒幕殺人鬼の妹に転生して失敗した」が代表作です。サイコパスと死生観が若干独特な明るい女の子による死の匂いが濃い目のラブコメです。

最新作は「逆後宮の女帝になれと強いられまして」です。天邪鬼と天邪鬼の頂上決戦と並行して、傷つけられ続けた人間が互いで苦痛を和らげ立ったりしゃがんだり、すすんだと思えば下がり、下がったと思えば進む話です。

結局どんな話なんだろう、と不思議に感じると思います。

そういう話を書いています。

興味を持ってくださった方がございましたら、タイトルを検索していただけますと幸甚です。

各種書籍サイトさんに文章のプロである編集者さんが組んだあらすじが載っています。お手数をおかけします。

さて、こちらは名だたる作家陣営の方々が「書籍化のコツ」「作家とは」等をご説明しているコーナーです。

ゆえにこちらを読む方々は「読むことが好き」「書籍化したい」の二層に分かれるものと存じます。

私は読者の方々と一部のイラストレーターさんや漫画家さん、編集者さんが作家と誤認しているだけの社会不適合者です。

なにかの邪魔になることはあってもなにかの助けになることはない存在ではございますが、もうすぐ200回目を迎えます。

異物枠として「今書籍化できなくてすごく苦しい」「結果が出なくてきつい」方向けに話をします。

それ以外の方はもうお引き取り頂いて問題ございません。

次回の作家様や前回の作家様の記事をお読みください。


さて、まずは、お疲れ様です。

今までよく頑張りましたね。大丈夫です。根拠はありませんが大丈夫です。

もしかしたら寝てない、寝られない、食べない、食べられない、方がいらっしゃるかもしれません。

出来る範囲で厚生労働省の推奨する範囲の健康的な生活を志してください。今寝てしまっている間にもみんな書いてる、なんて思っているのなら寝てください。睡眠で逃げていく書籍化はありません。

辛い気持ちを抱え辛い心境の場面をノリノリで書くわけでもないかぎり、しんどい中で書いたり焦る必要はありません。

書籍化は案外運です。

話を書く、というか全体的に何かを書いている方は、「運をつかむには努力がまず必要」なんて言葉を真に受けすぎる人間のほうが多いと思います。

運に努力は関係ありません。試行回数の問題です。チャレンジし続ければ成功し結果的に運が良かったと言えます。

しかし、試行回数は多ければ多いほどいいというものではありません。スマホの充電と同じです。繰り返し100%充電をすれば、本体のバッテリーが消耗します。

80%程度でのんびりしていれば、長く使えます。

必要なのは持続性です。

長く続けていくには、どれほど「辛くないか」「自分が悲しい気持ちにならないか」「楽しいか」が大切になります。

なのでこうしなきゃいけない、ああしなきゃ書籍化できない、と思わなくて大丈夫です。

ここまで読んでいるあなたはおそらく、ストイックな人か変な人間の文が好きな変態です。

変態でないならストイックです。


出来ないことは出来ないで大丈夫です。

そんなことない、出来ないことを放置したらどんどん自分は夢から遠ざかる、と思う方もいるかもしれません。

そこまでストイックならば大丈夫です。その「出来ない」を個性にする案もあります。

そうして、ないものはないままに、あるもの、出来ることをどう生かすか、どうやっていくかを考えるほうに尽力しても大丈夫です。

ソースは華道です。まぁ、華道といってもサラッとやっただけですが。

そして書籍化の打診を受けることが、ゴールではありません。

こういう話をすると「書籍化打診というスタートも切れてないのに‼」と怒りで石でも投げたくなるかもしれません。

例えばの話、「とりあえず毎月の刊行ノルマ達成のためにキープとして打診しておくか~」「これに売れ筋の設定盛り込めばそこまで赤字出さずに済むかも~」「こういう話を考え付いたけどいい下地ないかな~」みたいな、普段物語の為に苦心し編集職をしている方と並べたくない方々は、悲しいながら存在します。

書籍化の打診がそういう方からくる可能性もあります。

打診が来ないとき、もしかしたらそういう方々との縁がハリウッドのカーチェイスばりに避けているのかもとお考え下さい。

悪い存在についてお話ししましたが、悪い存在しかいない業界は淘汰されます。業界が残っているということは悪くない存在がいらっしゃる、ということです。

「幼少期本に助けられ作家さんの役に立ちたいと思っていた」と、お話しする方も勿論いらっしゃいますし、一貫してモノづくりやエンターテイメントを希求している方、とにかく漫画が好きな方、多様にいます。

逆をいえば、悪い存在についても、本当に根が腐っているパターンと、もともとは物語が大好きで作家さんのためにとやってきたけれど、て「本当に根が腐っているような作家さん」に苦しめられているパターンも、たくさんあると思います。

あとはまぁ、人によって態度は変わって当然と思うので、一部の作家さんの前ではいい編集者さんだけど、一部の作家さんの前ではパワハラの塊、とか。一部の編集者さんの前ではパワハラ気質、全体の編集者さんには優しいとか。

話は脱線しましたが、書籍化がこない物語に対して「書籍化がこない作品なんだ、駄目な話なんだ」とは思わなくていいです。運です。

あなたの大事な作品を書籍化するにあたって、一緒に頑張ってくれるような編集者さんとのタイミングが合う待ち時間かもしれない、と、少し思ってみてください。

ということで、長々と話をさせていただきましたが、まとめてしまえば、そこまで辛い道に自分から進まずとも、休んでいても、なんとかなるということだけ、ぼんやり思っていただけたらと思います。もちろん、辛い分だけ、なんとかなります。大丈夫です。何の根拠もないですが。

とりあえず、すごくつらい方の心が少しだけ和らげばいいなと思います。

では。