【お便りコーナー】第53回: 槻影先生

小説家になろうをいつもご利用頂きありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である槻影先生よりお便りを頂きましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、槻影先生よりご連絡いただきました文面となります。



 初めまして。いつも駄目な感じの作品を投稿させていただいております、槻影です。

 この度、拙作、アビス・コーリング(https://ncode.syosetu.com/n9040eb/)が書籍化の運びとなりましたので、記念に筆を取らせていただきました。

 突然ですが、ホームに記載されている数字によると、現在の『小説家になろう』の登録者数はおよそ115万人です。私のIDは27455、前に三万人弱の登録者がいますが、全体数を考えれば古株の方だと言えるでしょう。

 私が初めて『小説家になろう』に登録して小説を投稿し始めたのは2008年……大体十年くらい前のことでした。
 今でこそ『小説家になろう』からは多数の作品が書籍として出版され、本当に小説家を多数排出するサイトになっていますが、私が登録した当時は書籍化作品などもほとんどなく、私が投稿を始めたきっかけもただの趣味でした。(小説家志望でもありませんでした)

 ネットに小説を投稿するメリットの一つは読者さんの感想を貰えることだと、私は思っています。
 新人賞に出して作家になるなど確固たる目標があるのならばともかく、誰も読まない小説を黙々書き続けることはモチベーション的な面でも難しいことです。リアルの友達や家族に見せるのも気恥ずかしいでしょう。

 私がサイトに投稿を始めたのも小説を書きたくて、でも知り合いには見せたくなくて、Webに載せればもしかして誰かが読んでくれてあわよくば感想をもらえるのではないか、という、とても都合のいい考え思いを抱いたからです。
 それ以来、十年間、休んだり長期更新停止したりエタ作を非表示にしながら今も投稿を続けています。

 私は内向的な人間です。紙の本が出るまで、知り合いも友達も家族も、誰も私が小説を書いていることを知りませんでした。
 そんな人間でも孤独を感じることなく小説を投稿できること。それこそがネット投稿の大きなメリットです。メリットです!

 これを読んでいる方々の多くは小説を書くことに興味がある人だと思います。
 とりあえず書きましょう。投稿しましょう。恥ずかしくないです。誰にもそのことを言う必要もありません。飽きたらやめてもオッケー。タイピング速度も上がっちゃいます。
 感想は来たらラッキーくらいでいましょう。見せなければゼロなので、ゼロよりは期待値が高いです。たまに酷い感想を受けることもありますが、いずれ気にならなくなります。途中から書くことが苦痛にならなくなります。

 小説は自己の表現です。性格や経験が直で出ます。流行りなど考える必要はありません。きっとあなたにしか書けない小説があるはずです。
 115万人も登録者がいるのですが、あなたの小説を気にいる人がきっといます。これを読んだ皆様によい読者・作者ライフが待っていることを祈っています。

 ここまで読んでいただきありがとうございました。
 最後に、色々綺麗事っぽい事を書きましたが、ここに書いた内容はあくまで私の独断と偏見によるものであり、一般の見解でないことを強調して締めさせていただきます。
 
 今回、12月29日に書籍版が発売するアビス・コーリング(https://ncode.syosetu.com/n9040eb/)は、
 課金要素が酷すぎてサービス終了したソシャゲの世界に頭のネジがちょっと外れた元廃課金プレイヤーと純粋無垢な少女が召喚され、ひどい目に会うみたいなコメディ小説です。
 Web版は次章が最終章、十年で培ったR15レベルのエロを満載して締めるつもりでいます。

 つまり、私はそんな作品を書く人間です。よろしくお願いします。