【お便りコーナー】第197回: 東 吉乃先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である東 吉乃先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、東 吉乃先生よりいただきました文面となります。

 皆さまこんにちは、東吉乃(あずま よしの)と申します。

 少し前になりますが、昨年末の12/25に「ドロップアウトからの再就職先は、異世界の最強騎士団でした」の書籍三巻が、オーバーラップノベルスfさまより刊行されました。
 また、本作は昨年6月よりコミカライズも始まっておりまして、コミックス一巻を同時刊行して頂きました。
 これもひとえに支えて下さる読者様のお陰でして、この場を借りて深くお礼申し上げます。

【書籍三巻】 https://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=9784824010339&cat=NVL
【コミックス一巻】 https://store.over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=EC2144

 本作では一巻、二巻とこのお便りコーナーに寄稿させて頂きましたので、三巻刊行ご報告と合わせて今回も書籍化に関するお話を少しさせて頂きたく、お付き合いくだされば幸いです。

 書籍化するにあたってなにより大切なのは物語を書き切ることですが、その「速度」について意識してみると、役に立つかもしれませんというお話です。

 物語を書く速度とはなにか。

 まずは便宜上、これを「字速」と書かせて頂きますね。造語ですが、割と物書き界隈のSNSなどでは使われていたりするので、ご存知の方もいらっしゃるかと思います。
 現代では原稿用紙に手書きの方は少数派かと思いますので、基本的にPCもしくはスマホなどの機器を使って「物語を書く速さ」とお考え下さい。単純なタイピング速度とは別物です。

 この字速について、自分自身の「平均字速」と「最大瞬間字速」を知っておくと、一つの物語を書き切るのにおよそどれだけの日数が必要か、計算できるようになります。
 この計算がなぜ大切かというと、書籍化が決まった後に出てくる仕事として、書籍として形にする為の「改稿」作業、そして次のお仕事を打診された時に「いつ納品できるか」の目途が立てられるからです。
 全ての仕事には〆切があります。
 とりあえず思いつくままに書いてみて、出来上がったら提出します、では話になりません。それだと関わっている全ての方々のスケジュールが立てられないことになってしまいます。
 これに対し、例えば書籍化予定が◯年の◯月だとして、その二か月前には最終稿を出す必要がある、となった時。
 その〆切を守れるかどうか最初にすり合わせができると、スケジュールに遅延などなく順調に書籍化を進めることができるのです。無理そうな場合は「なんとかして頑張ります」ではなく、根拠を持った状態で確実に納品できるよう、最初から予定を後ろ倒しにしてもらうなどの調整をした方が遥かに建設的かつ労力が少なく済みます。

 これは社会人として非常に大切なことでして、作家として面白い物語を書けるというのは大変に重要な要素ではありますが、予定を立てて仕事を進められるかどうかというのも大切な要素です。
 冒頭から途中まですごく面白いお話を書けたとして、でも完結がいつになるのか見えなかったり。或いは、書くと言いながらいつも〆切破りをしたり。そういうことが続くと信用問題になってくるので、お仕事を頼まれづらくなってしまいます。
 しっかりと仕事ができる人間であることを証すにはスケジュール管理ができることが肝要で、その為には作家としての自分の実力=字速を冷静に、客観的に把握しておくことがその一助となる、ということです。

 さて、「平均字速」と「最大瞬間字速」についてもう少し掘り下げます。
 この二つを語る時に、大前提として物語に関する調べ物をしている時間やプロットを練っている時間は含みません。本当に、どういう物語を書こう、起承転結も概ね決まっていて後は文章にしていくだけ、という状態だとお考えください。
 なぜこれを予め断っておくかといいますと、この二つは時間をかけようと思えば無限にかけられるからです。逆に言うと、この二つが固まっていない状態では、作者の状態が千差万別すぎて字速を語ってもあまり意味がありません。極論、十年温めたアイデアを一年で書き切った時に、完成まで十一年かけたと見るか、一年と見るかの違いです。ご理解くださいませ。

 そういうわけでまず一つ目、「平均字速」は一時間におよそコンスタントに書ける文字数です。若干の前後はあれども、体調が悪くなければ大体このくらいは最低書ける、という量。
 そして二つ目、「最大瞬間字速」はいわゆる筆が乗った状態で一時間に最大書ける文字数です。
 ちなみに私は、「平均字速」は1,500文字、「最大瞬間字速」は3,000文字です。これを少ないと見るか多いと見るかは人によると思いますが、書籍化する為の一例としてこの数字を使って計算してみます。

 出版社によって違いはありますが、書籍一冊はおよそ15万文字です。
 これを私は自分の平均字速から、六カ月かかるなと計算します。
 一日1,000文字で、一ヶ月30,000。六ヶ月で180,000ですね。
 単純計算だと五ヶ月ですが、私は兼業作家でして本業で急ぎの案件など入ることもあり、平日に書く時間が取れないこともままあるので、平均字速に0.7掛け+一ヶ月は予備含めたバッファです。このあたり、どれくらいバッファを取るかは個々人の状態にもよりますので、ご参考まで。
 書籍、つまり長編を書く為の計算で大切なことは、あくまでも平均字速を使うことです。当たり前ですが最大瞬間風速を常に出せる作家などおりませんので、それは出せればあくまでもラッキーくらいに考えておくと良いです。
 一方で、短編を書く時などは最大瞬間字速で計算してもそれなりの精度が出るように思います。
 短編は長くても30,000文字程度でしょうから、こつこつかき上げるというよりは瞬発力勝負で思いついた時に一気に書き上げてしまう前提とすると、数時間から数日で書き上げられますよね。
 ただこれも、2時間と3日では差が大きいのは明白です。アンソロジーなど募集されているものに応募するなど、〆切前にいつから取り掛かれば良いかはご自身の実力を鑑みて逆算すると良いかと思います。

 こうして、およそ自分が一つの物語をどれくらいの時間で書き切れるか目算を立てられるようになると、コンテストの応募や出版社への企画持ち込みができるようになります。そうすることで、漫然と書き連ねるよりも遥かに書籍化に近付くことができます。
 ちなみに、コンテスト応募は当たり前ですがその募集要項に合致したお話を出して下さいね。
 以前のお便りで書かせて頂いた私の失敗談を、是非とも他山の石として頂ければ幸いです。(エッセイにも残していますので、気になる方はご覧ください)

 出版社への企画持ち込みは、平均字速が多い方(3,000とか)ならば書き上げて送るというのもありかもしれません。が、これはかなりレベルが高い行為かつそこまで多くないと思いますので、企画書という名の詳細プロットに
 1.物語のコンセプト、2.世界観、3.主要登場人物、4.起承転結
をまとめて提出すると、お互いに話が早いです。
 この時、起承転結は文字数で1〜2万文字くらいを目安にすると、過不足なくイメージが伝えられるかと思います。あらすじが上手な方なら、5千文字くらいでもいいかもしれません。

 少し話が逸れますが、プロット書くか書かないかは流派が分かれるので、「物語を書く」という行為に関していえばどちらでも良いと私は常々思っています。元々、私もプロットは作らずに書きたい一シーンが浮かんだら、それを目標に大まかな起承転結だけ決めて、後はひたすらそこに向かって書き連ねていくタイプです。大体、一行で書いておいた流れが5,000〜10,000文字に膨らみすぎて頭を抱えるまでがセット。
 そんな自分ですが、「書籍化する」ことを念頭に置くと、プロットは必要ですと言わざるを得ません。
 それは、書籍に携わる全ての人が、物語の端から端まで読み込む時間を持っているわけではないからです。
 コンテストの下読みさんや、拾い上げならば担当編集さんは物語を読んでくださいます。
 問題はその先。
 書籍化する為には大抵は編集部内で会議などを通さねばなりませんし、イラストレーターさんにも作品の雰囲気をお伝えしなければなりません。この時に「全部読んでください」はあり得ないので、プロットの形で物語を凝縮しておくと、後々大変捗ります。

 企画書(詳細プロット)という形にしておくと編集さんも目を通しやすいので、「物語全編読んでください」よりも「こういうコンセプト、雰囲気の話ですが需要ありますか」と尋ねることができます。
 ただでさえ忙しい方々のお時間を頂戴するのならば、それなりの形で分かりやすく宣伝するということが必須です。これが出来るようになると、どこかが駄目でも別の所にチャレンジする時間が短縮されるので、必然的に人の目に留まる回数が増える→書籍化のチャンスが増える、となります。

 なんにせよ、プロット切るのも平均字速が300と3,000では完成までの時間が段違いです。
 そういう意味でも、ご自身の平均字速は意識してみると良いかと思います。是非お試しください。

 最後にもう一度の宣伝となり恐縮ですが、「ドロップアウトからの再就職先は、異世界の最強騎士団でした」書籍三巻と、コミックス一巻につき、どうぞご覧くださいませ。
 書籍にはWEB版に加えてエピソードや曲紹介など増やしており、コミックスにはSSを寄稿させて頂いております。

【書籍三巻】 https://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=9784824010339&cat=NVL
【コミックス一巻】 https://store.over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=EC2144

 東 吉乃

【お便りコーナー】第196回: こはるんるん先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者であるこはるんるん先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、こはるんるん先生よりいただきました文面となります。

はじめまして。こはるんるんと申します。

小説家になろう様に「追放された錬金術師は無自覚に伝説となる ヤンデレ妹(王国の守護竜)と一緒に辺境で幸せに暮らします!」を投稿しております。

このたび、竹書房のバンブーコミックスから2025年2月6日に漫画版、第2巻が刊行されることになりました。

ひとえに応援してくださった読者の皆様のおかげです。
この場を借りてお礼を申し上げます。

ここからは、私の小説の書き方をご紹介したいと思います。参考していただければ幸いです。

小説は最後まで書いて完結させるのが非常に難しいです。

そこで、完結させるのを阻む要因を極力減らすようにしています。

①執筆中に他の作品のアイディアが浮かんでも、絶対に浮気しません。
別の作品を書き出すと、どの作品も中途半端になって完結できなくなる罠にハマるからです。

②10万字以上書いて完結させてから、「小説家になろう」に投稿します。
もし完結させる前に投稿して、読者からの評価が悪かったら、そこでモチベーションが落ちて投げ出してしまうからです。

③最後まで書いて完結させることを習慣化します。
この状態が当たり前になると、必死に根性を出さなくても良くなります。
最後まで書くことのハードルが下がります。

ただ、この3つのコツを使っても、最後まで書いて完結させるのは大変です。

なので、最後まで書けたら、読者からの評価に関わらず、やり遂げてスゴイ!
と自分を褒めるようにしています。

このお便りがあなたの創作活動の参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。

こはるんるん

「追放された錬金術師は無自覚に伝説となる ヤンデレ妹(王国の守護竜)と一緒に辺境で幸せに暮らします!」は
以下の「コミックガンマぷらす」のページで試し読みができますので
https://gammaplus.takeshobo.co.jp/manga/yandere_imouto/

もし、よろしければ、ぜひお読みいただけるとありがたいです!

Amazon。第1巻へ
https://amzn.asia/d/5u9KsOt

【お便りコーナー】第195回: もーりんもも先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者であるもーりんもも先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、もーりんもも先生よりいただきました文面となります。

皆さん、こんにちは。もーりんもも です。
最初に告知させてください。

『転生した私は幼い女伯爵2 後見人の公爵に餌付けしながら、領地発展のために万能魔法で色々作るつもりです』(アース・スターノベル)
2月14日(金)に2巻が発売されます。
主人公のマルティーヌが、料理を作ったり貯水槽を作ったり収穫祭を復活させたりと、大活躍の2巻なので是非お読みいただきたいです!
https://www.es-novel.jp/bookdetail/178onnahakushaku2.php

さて、このコーナーは「雑談」でもよいようなので、今回はメンタルについてお話しさせていただこうと思います。

商業デビューされた方もまだの方も、小説を書く作業は長時間孤独で行うものなので、どんな強靭なメンタルをお持ちの方でも、一度や二度はダウンした経験がおありなのではないでしょうか。
特に天気が悪くて家に篭りきりだとメンタルが下がり気味になりますよね。

ネガティブな愚痴を聞いてくれるありがたい友人をお持ちの方は、思いの丈を吐き出せばいいでしょう。人と会って話をするだけでも違ってきますよね。
友人がいない、いても会えない場合は、愚痴や不満を聞いてくれてストレスを発散できるアプリでもいいと思います。無料でたくさんあります。

ひたすら食べるとか、サプリやハーブティー、アロマオイルなどもアリですよね!

私自身はというと、子どもの頃から実践している方法が性に合っている気がします。
元気がない時に効くものーーそれはズバリ、「太陽」と「みかん」です。
不調を感じたら、散歩するとか、ランチを外で食べるとかして、とにかくお日様を浴びて、1日にみかんを4つ食べるのです。
これを2、3日続けたらダウンしていたことを忘れてしまいます。
性格的なものがあるとは思いますが......。

自分なりの浮上方法を見つけておくことが、長く執筆を続けられる秘訣かもしれません。
あれこれ試して、いくつか持っておくことをお勧めします!
お互いに執筆頑張りましょう!

もーりんもも

【お便りコーナー】第194回: 茅@王命発売中。1/23、30ダイアナマイト発売予定先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である茅@王命発売中。1/23、30ダイアナマイト発売予定先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、茅@王命発売中。1/23、30ダイアナマイト発売予定先生よりいただきました文面となります。

 はじめまして、もしくはお久しぶりです。
 茅(ちがや)と申します。
 こちらのコーナーに載せていただくのは2回目。去年の5月ぶりとなります。

 先に宣伝させていただきます。
 なんと1月に3冊発売です!

 1/10(ツギクルブックス。電子・紙書籍)
『王命の意味わかってます?』

 小説家になろうに投稿したのは短編でしたが、加筆に加筆を重ねて立派な本になりました。
 書籍化の経緯については、活動報告でエッセイ(全5話)にしていますので、お暇なときにでも是非。

 1/23、1/30(エンジェライト文庫。電子のみ)
『ダイアナマイト―転生令嬢は政略結婚に夢を見る―』3巻、4巻

 ご購入いただいた方々のおかげで、8ヶ月ぶりの続刊です。ありがとうございます!
 今回はギャラン帝国編。どちらも書き下ろし番外編つきです。
 またもや2週連続配信となります。

 ちなみに2作品ともコミカライズ企画進行中です。
 リリエッタさんの方は書籍化と同時に発表したのでご存じの方も多いと思いますが、あのダイアナお嬢様も漫画になるんですよ!
 どこが手がけるとかは情報解禁許可されていないので伏せますが、どうぞお楽しみに!!



 では本題に入ります。

 今は色々な小説投稿サイトがあります。
 出版社の目にとまれば最短で書籍化やコミカライズできたり、PVや作家契約で収入を得られたり、タグ一つで気軽にコンテストに応募できてしまったりします。
 読者が作品を評価したり、作者に直接感想を伝えることができます。

「話を書いて投稿する」という非常にシンプルな行為なのに、外から様々な影響を受けていると何のために書いているのか活動の動機がブレることもあるかと思います。
 私はなりました。
 なまじ早々に商業デビューしたもので「次の作品も同じくらいのクオリティで書かなければ」と勝手に気負ったり、投稿間隔があくとサボっているかのような罪悪感にかられたりしました。

 しかしそんな状態で書いてもワクワクしないんです。
 形としてはそれなりに整ったものができるけど、推敲時に読者の立場になって読んでもワクワクしなくて結局お蔵入りです。
 私の技量では義務で書いたものは無難なできになり、書いても読んでもハッピーにはなりませんでした。

 かといって自分の癖(ヘキ)を無加工で出すのも危険です。それ楽しいの作者だけや。
 先日「男になった私がイケメン過ぎて婚約者の性癖を破壊してしまった件」なんて、性癖全開なものをお出しした分際でなにをという話ですが、これでも自重して連載ではなく短編にしていますのでご容赦を。
 結果は……まあ、言わなくてもわかるかと。

 とまあ、しくじり先生の話はこの程度にして、ふっきれてからは無理をしなくなりました。

 私が小説を書くのは、思いついた「面白い」を形にしたいから。
 投稿サイトで公開するのは、ごく少数でもいいので私の作品を気に入ってくれた人達と熱く盛り上がりたい、もしくは大勢に読んでもらいたいから。
 この理論だと、先日の「イケ過ぎ」もちゃんと目的を達成していますね。感想欄の同志諸君の言葉は、この胸にしっかりと刻まれました!

 そうなるとモチベーションに頼らず書けるように執筆をルーティン化したり、公募やコンテストに合わせて作品を書くのは、自分の動機に反する行為です。
 書籍化とかメディアミックスはそりゃしたいけれど、私の場合はまず楽しくなければ意味がないのです。
 すると指標が明確になったからか、プレッシャーから解放されたからか、ちょっとしたことでネタが湧いて、脳汁ドバドバ状態で書けるようになりました。
 そうだよ。
 生活かかってる専業作家じゃないんだし、書きたいときに書きたいものを書いて、それが商業化されたら御の字な人間なんだよ私は。

 私の動機は上記の通りですが、書籍化や専業作家になることが目的であり動機という方もいらっしゃると思います。

 一度きりの人生。こうして執筆できる期間なんて、たかだか数十年です。
 どうかご自身の活動の芯を大切にしてください。
 そして満足度の高い創作ライフを送ってください。

【お便りコーナー】第193回: 稲井田そう先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である稲井田そう先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、稲井田そう先生よりいただきました文面となります。

はじめまして、もしくは、お知り合いの方々につきましては、こんにちは、稲井田そうと申します。

はじめましての方向けに自己紹介すると、小説家になろうさんでサスペンスやホラーを混ぜた恋愛だったりそうではない繋がりを書いています。

商業デビューは「次期風紀委員長の深見先輩は間違いなく病気」です。誠実な変態と希死念慮の強い女の子の青春恋愛です。

代表作は「デスゲーム漫画の黒幕殺人鬼の妹に転生して失敗した」が代表作です。サイコパスと死生観が若干独特な明るい女の子による死の匂いが濃い目のラブコメです。

最新作は「逆後宮の女帝になれと強いられまして」です。天邪鬼と天邪鬼の頂上決戦と並行して、傷つけられ続けた人間が互いで苦痛を和らげ立ったりしゃがんだり、すすんだと思えば下がり、下がったと思えば進む話です。

結局どんな話なんだろう、と不思議に感じると思います。

そういう話を書いています。

興味を持ってくださった方がございましたら、タイトルを検索していただけますと幸甚です。

各種書籍サイトさんに文章のプロである編集者さんが組んだあらすじが載っています。お手数をおかけします。

さて、こちらは名だたる作家陣営の方々が「書籍化のコツ」「作家とは」等をご説明しているコーナーです。

ゆえにこちらを読む方々は「読むことが好き」「書籍化したい」の二層に分かれるものと存じます。

私は読者の方々と一部のイラストレーターさんや漫画家さん、編集者さんが作家と誤認しているだけの社会不適合者です。

なにかの邪魔になることはあってもなにかの助けになることはない存在ではございますが、もうすぐ200回目を迎えます。

異物枠として「今書籍化できなくてすごく苦しい」「結果が出なくてきつい」方向けに話をします。

それ以外の方はもうお引き取り頂いて問題ございません。

次回の作家様や前回の作家様の記事をお読みください。


さて、まずは、お疲れ様です。

今までよく頑張りましたね。大丈夫です。根拠はありませんが大丈夫です。

もしかしたら寝てない、寝られない、食べない、食べられない、方がいらっしゃるかもしれません。

出来る範囲で厚生労働省の推奨する範囲の健康的な生活を志してください。今寝てしまっている間にもみんな書いてる、なんて思っているのなら寝てください。睡眠で逃げていく書籍化はありません。

辛い気持ちを抱え辛い心境の場面をノリノリで書くわけでもないかぎり、しんどい中で書いたり焦る必要はありません。

書籍化は案外運です。

話を書く、というか全体的に何かを書いている方は、「運をつかむには努力がまず必要」なんて言葉を真に受けすぎる人間のほうが多いと思います。

運に努力は関係ありません。試行回数の問題です。チャレンジし続ければ成功し結果的に運が良かったと言えます。

しかし、試行回数は多ければ多いほどいいというものではありません。スマホの充電と同じです。繰り返し100%充電をすれば、本体のバッテリーが消耗します。

80%程度でのんびりしていれば、長く使えます。

必要なのは持続性です。

長く続けていくには、どれほど「辛くないか」「自分が悲しい気持ちにならないか」「楽しいか」が大切になります。

なのでこうしなきゃいけない、ああしなきゃ書籍化できない、と思わなくて大丈夫です。

ここまで読んでいるあなたはおそらく、ストイックな人か変な人間の文が好きな変態です。

変態でないならストイックです。


出来ないことは出来ないで大丈夫です。

そんなことない、出来ないことを放置したらどんどん自分は夢から遠ざかる、と思う方もいるかもしれません。

そこまでストイックならば大丈夫です。その「出来ない」を個性にする案もあります。

そうして、ないものはないままに、あるもの、出来ることをどう生かすか、どうやっていくかを考えるほうに尽力しても大丈夫です。

ソースは華道です。まぁ、華道といってもサラッとやっただけですが。

そして書籍化の打診を受けることが、ゴールではありません。

こういう話をすると「書籍化打診というスタートも切れてないのに‼」と怒りで石でも投げたくなるかもしれません。

例えばの話、「とりあえず毎月の刊行ノルマ達成のためにキープとして打診しておくか~」「これに売れ筋の設定盛り込めばそこまで赤字出さずに済むかも~」「こういう話を考え付いたけどいい下地ないかな~」みたいな、普段物語の為に苦心し編集職をしている方と並べたくない方々は、悲しいながら存在します。

書籍化の打診がそういう方からくる可能性もあります。

打診が来ないとき、もしかしたらそういう方々との縁がハリウッドのカーチェイスばりに避けているのかもとお考え下さい。

悪い存在についてお話ししましたが、悪い存在しかいない業界は淘汰されます。業界が残っているということは悪くない存在がいらっしゃる、ということです。

「幼少期本に助けられ作家さんの役に立ちたいと思っていた」と、お話しする方も勿論いらっしゃいますし、一貫してモノづくりやエンターテイメントを希求している方、とにかく漫画が好きな方、多様にいます。

逆をいえば、悪い存在についても、本当に根が腐っているパターンと、もともとは物語が大好きで作家さんのためにとやってきたけれど、て「本当に根が腐っているような作家さん」に苦しめられているパターンも、たくさんあると思います。

あとはまぁ、人によって態度は変わって当然と思うので、一部の作家さんの前ではいい編集者さんだけど、一部の作家さんの前ではパワハラの塊、とか。一部の編集者さんの前ではパワハラ気質、全体の編集者さんには優しいとか。

話は脱線しましたが、書籍化がこない物語に対して「書籍化がこない作品なんだ、駄目な話なんだ」とは思わなくていいです。運です。

あなたの大事な作品を書籍化するにあたって、一緒に頑張ってくれるような編集者さんとのタイミングが合う待ち時間かもしれない、と、少し思ってみてください。

ということで、長々と話をさせていただきましたが、まとめてしまえば、そこまで辛い道に自分から進まずとも、休んでいても、なんとかなるということだけ、ぼんやり思っていただけたらと思います。もちろん、辛い分だけ、なんとかなります。大丈夫です。何の根拠もないですが。

とりあえず、すごくつらい方の心が少しだけ和らげばいいなと思います。

では。