【お便りコーナー】第143回: 東 吉乃先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である東 吉乃先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、東 吉乃先生よりいただきました文面となります。

 皆さまこんにちは、東吉乃(あずま よしの)と申します。

 この度、9/25に「ドロップアウトからの再就職先は、異世界の最強騎士団でした」の二巻が、オーバーラップノベルスfさまより刊行される運びとなりました。
 一巻をお手に取って頂いた皆様には重ねてお礼申し上げますとともに、どうぞ二巻についても宜しくお願い申し上げます。

【立ち読みサイト】http://blog.over-lap.co.jp/tachiyomi_2309/

 さて、一巻の時にもこのお便りコーナーに寄稿させて頂きまして、その際に「とても励まされました」と個別にメッセージなど頂戴しました。私にとってはそのお言葉が大変ありがたく、また嬉しいものでした。刊行そのもののみならず、こうして誰かと交流させて頂けることが小説を書くことの楽しみ、嬉しさの大きな一つだなと深く喜びを噛み締めました。
 そのような経緯もあり、どなたかのお役に少しでも立てればと考え、二巻刊行ご報告と合わせてお話させて頂きます。

 前回の題目は「低ポイントでも書籍化できる」ということでした。
 今回はそれをもう少し詳しく、違った観点からお話します。内容は「自分から動けば、書籍化を手繰り寄せることはできる」ということです。

 私がその物語を投稿し始めたのは、長期休みのことでした。
 当時、色々と文章の勉強というか試行錯誤をしておりまして、それまでの自分の癖を直そうと一本の物語を途中まで書き、完結までの目途がついた時点での連載開始でした。新しい挑戦だったので、完全に修行のつもりでそれまでとは違うジャンルを選びました。
 ちなみに直そうとした癖は、長い文章とどこまでも続く平坦な展開です。
 目指したのは「文章を短く」「展開を早く」して、かつ「長編ではなく中編でまとめる」ことでした。
 長期休みという人の多い時に連載を始めたのが良かったのでしょう。その物語は初日から多くの方にご覧頂けたようで、二話目更新の二日目にランキングに載りました。その後も一日一更新を続け、およそ二十日間ほどの連載でしたが日間一位にしばらく居座り、週間、月間、そして四半期ランキングにも残っておりました。ポイントも二万越えを達成し、まさに破竹の勢いだったと言えます。

 ポイントに関しては現在は若干インフレしている感がありますが、当時の相場観でいうとそのジャンルは一万から二万ポイントあれば大抵書籍化していました。
 なので、習作とはいえ書籍化できるかもという期待を持ち、二つほどコンテストに出しました。どちらのコンテストも、ポイント数で見た時に応募総数の中で十位以内に入っていましたので、せめて一次選考くらいは通るのでは、などと考えて。
 結果はどちらも惨敗です。
 一次選考さえも通りませんでした。
 それどころか、当時ランキングで顔なじみだった他の作品が、軒並み書籍化していくというおまけ付きです。これはなぜ分かったかというと、月間や四半期ランキングはそう大きく入れ替わらないので、いつしかタイトルやあらすじに「書籍化」という文字が見えるからです。
 他の作品の書籍化を横目で眺めつつ、その物語は書籍化には縁がなかったな、と諦めました。

 それから四年後。

 ツイッターで、とある出版社様が募集していた企画をたまたま拝見し、迷った末にその物語を出してみることにしました。
 というのも、その企画が「読後に幸せな気持ちになる作品」というかなり大きい枠での募集要項だったからです。基本的に私はハッピーエンドを描きたくて物語を書いていますので、これなら当てはまると自信が持てました。後は、沢山の方から愛されたその物語をどうにかして形にすることで、供養できたらという気持ちも大きかったです。

 これが有難いことに編集の方の目に留まり、書籍化を果たすことができました。
 二つのコンテストで一次さえも通らなかった作品が、です。

 この経験を通して私が得たものは、冒頭で述べたとおり「自分から動けば、書籍化を手繰り寄せることはできる」という事実です。今回も駄目かもしれない、と思って応募しなければ、この物語は書籍化しなかったでしょう。
 そして大事なことが実はもう一つ。
 書籍化したいからといって、やみくもにコンテストに出しても、きっとできていなかっただろうなということです。
 これは、「物語がどういうコンセプトであるのか」と「出版社が求めている物語はどういう毛色のものか」、この二つの観点が上手く合致した時に、初めて書籍化が成るということです。
 高ポイントだからどんな出版社、レーベルであっても受け入れてくれる、わけではありません。
 彼らにも売りたい話、推したい流れ、広げたい物語があります。それを無視しても、互いに幸せにはなれません。冷静に振り返ってみると、私が応募していた過去のコンテスト、募集要項にはかろうじて引っかかっていましたが、一言で申しますとレーベルカラーには合っていなかったなと反省しきりです。

 例えば重厚な戦記ベースの物語が多い出版社に、軽くて読みやすいふんわり日常の物語を持ち込んでも望み薄ということですね。方針転換したい、新機軸を追い求めたい、というような出版社側の意図があれば、あるいは引っかかることもあるかもしれませんが、可能性は限りなく低いです。
 どちらが良い悪いではありません。
 物語の「特色」を作者自身が掴んでいれば、より一層、適切なコンテストやレーベルに対してアプローチができて、書籍化が近づく、というお話です。
 そして、一巻の時にもお話しましたが、需要と供給が合致しさえすれば、ポイント数などほぼ関係ありません。

 ですから、作者の方々は我が子あるいは分身とも呼べるその作品が「何を主題にしているのか」をしっかり見極めた上で、書きたいものを書き続けてください。
 きっとその声は、出版社、編集の方、そして読者の方に届きます。


 最後にもう一度の宣伝となり恐縮ですが、「ドロップアウトからの再就職先は、異世界の最強騎士団でした」二巻につき、どうぞご覧くださいませ。
 またWEB版に加えてエピソードや曲紹介など増やしておりますので!

【各購入サイト】https://over-lap.co.jp/Form/Product/ProductDetail.aspx?shop=0&pid=9784824006134&vid=&cat=NVL&swrd=


 東 吉乃

【お便りコーナー】第142回: 海翔先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である 海翔先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、海翔先生よりいただきました文面となります。

皆さんこんにちは!
モブから始まる探索英雄譚の海翔です。
ついに9/29金曜日にHJ文庫モブから始まる探索英雄譚7が発売です!

 https://firecross.jp/hjbunko/product/1742

よろしくお願いします。
出版不況が囁かれる中、7巻まで発売されたのは半分くらいなろう読者のみなさんのおかげです。
本当にありがとうございます。
まだの方は是非WEB、店頭でお手に取ってみてください。
皆さんが手に取ってくれると来年8巻が出ます。

前回、出版を目指す読者の方へ「1話目に全力投球してください」とアドバイスさせていただきましたが、今回のアドバイスは「得意なジャンルで書こう」です。
書籍化には最低10万文字を超えて書き続ける事が必要です。
いくら冒頭部分を上手く書けても10万文字書けなければ書籍化される事はありません。
目先のポイントを狙うなら「人気ジャンル」ですが10万文字を超えて書くには「得意ジャンル」です。
是非皆さんの「得意ジャンル」を見つけて人気作品を生み出してください。
ちなみに海翔の場合、文庫1巻あたり11万文字。
大判1巻あたり14万文字くらいを目安にしています。
ストックも大事ですが、書き溜めるよりまずは投稿してみてください。
10万文字も最初の1話からです。
もし読者からの反応があればテンションが上がってアイデアが湧いてきます。
気がつくといつの間にか文字数が増えているはずです。

モブから始まる探索英雄譚7

Amazon
https://www.amazon.co.jp/dp/4798633135/

bookwalker
https://bookwalker.jp/de8ea60477-e5f7-40d8-b809-6bef72729733/

【お便りコーナー】第141回: ひつじのはね先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者であるひつじのはね先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、ひつじのはね先生よりいただきました文面となります。

皆さまこんにちは! ひつじのはねと申します。
いつもたくさんの作品を楽しませていただいてます。ほぼファンタジーしか読まない私には、こんなに素敵なサイトは他にありません。
日々書いて下さる皆様、そして、読んで下さってる皆様、ありがとうございます!!

私の作品ももちろんファンタジーです。
ツギクルブックス様より刊行いただいています、『もふしら』シリーズ『もふもふを知らなかったら人生の半分は無駄にしていた』(https://ncode.syosetu.com/n7009fc/
15巻が8月10日に発売となっております! 
詳細はツギクルブックス様HPへどうぞ!(https://books.tugikuru.jp/202308-22695/


こちらのお便りコーナーに応募させていただくのは、2回目です。
前回は、「お話を書くときの柱になる約束事」を大事にしている、ということを書きました。
今回は、「最近気付いた美味しい描写のお手本」を共有したいと思います!

私は元々創作論の何たるかも知らずに、欲求のままに書きはじめた人間で、小説について順次勉強中の身です。
なので、ベテランの方や、創作について勉強されている方には当たり前のことかもしれません。
でも私は最近気付いたので! きっとそういう方は他にもいらっしゃるはず!!
ということで、美味しい描写のお手本について。
美味しいものを食べる、飲むシーンって、多くの人にとって分かりやすく「快」情報なので、人気ありますよね! だけど、美味しいって思ってもらうにはどうするか、最初は分からなくて。

食べた時の食レポみたいなものを、一生懸命書きますよね。
とろけるように滑らかな舌触り~とか、香ばしい香りが~とか。もちろん、そのものがどんな味なのか、甘いのか辛いのか、未知の食材なら特にそこも大切なんでしょうけども。
……そうじゃないかも。
それが私の気付きでした!
何なら食べた時の味や食感関連の描写ゼロでもいけるのかも。

気になるお手本は――――テレビCM!!
あれって、私たちと似てますよね。限られた手段で視聴者に訴求する。
CMだって、味も香りも伝えられないけど、美味しそうって思います。企業がお金と技術を使って惜しみなく披露して下さってる手練手管をかすめ取りましょう!(極悪)
自分が美味しそう、と思ったCMを見つけて、どうしてそう思ったのか観察すればいいのです。
大抵、味がどうの、食感がどうのなんて説明はないはず。
だけど、美味しそうだと思った。
その理由を見つければ……書けます、よね? だって我ら視覚情報を文字にする人間ですから!

私の作品もお料理描写が多いです。
全部読めというのは鬼なので、サクッと言っちゃうと『もふもふを知らなかったら人生の半分は無駄にしていた』最新のお料理描写なら751話~752話あたりでしょうか。
初期の頃の描写と、最近のと比較してもらうと、それなりに違いがあるかもしれません。ないならないである意味参考になりますよね!(ポジティブ)

どうでしょうか。私と同じように手探りで突き進む系の作家様に、情報共有できれば幸いです。


最後に、『もふしら』の宣伝を……

『もふもふを知らなかったら人生の半分は無駄にしていた』(https://ncode.syosetu.com/n7009fc/
恋愛もハーレムもない、男の子主人公のチート系ほのぼのファンタジーです。
幼児、もふもふ、イケオジ、美味しいごはん。この辺りにビビッと来る方向け!

2023年8月10日(木) ツギクルブックス様より15巻が発売されました! 
https://books.tugikuru.jp/202308-22695/

グッズのネットショップやLINE着せ替え、プレゼント企画、前回はクッキー屋さんとのコラボ!
楽しい企画がたくさんありますので、情報お見逃し無く!
Twitter(X)でも個人的に色々イベントやってますので、良かったらどうぞ!
羊毛作家ですからね! キャラ立体化の羊毛作品もありますよ。
ひつじのはねTwitterはこちら(https://twitter.com/sheepswing

これからも、どうぞたくさんのファンタジー作品が投稿されますように!
そして恋愛とハーレムがないチート系ファンタジーにも光を! ここに望む読者が一人!!!!

【お便りコーナー】第140回:こはるんるん(『竜王に拾われて魔法を極めた少年2』8/10発売)先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者であるこはるんるん(『竜王に拾われて魔法を極めた少年2』8/10発売)先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、こはるんるん(『竜王に拾われて魔法を極めた少年2』8/10発売)先生よりいただきました文面となります。

はじめまして。こはるんるんと申します。

小説家になろう様で「竜王に拾われて魔法を極めた少年、追放を言い渡した家族の前でうっかり無双してしまう~兄上たちが僕の仲間を攻撃するなら、徹底的にやり返します~
を連載しております。

このたび、GA文庫から2023年8月10日に2巻が刊行されることになりました。

これも応援してくださった読者の皆様のおかげです。
この場を借りてお礼を申し上げます。

2巻は、WEB版より4万文字以上加筆し、書籍版のみの新キャラも登場します。

ぜひ、1巻ともどもにお手に取っていただけると嬉しいです。

ここからは、小説がうまく書けない時の対処法をお伝えしようと思います。

小説を書いていると、どうしてもうまく書けないシーンや、書き上げてもクオリティに納得ができない場面が出てきます。

こういう時は仕方がないので、1話を3回くらいは書き直すようにしています。

1話を1回で書き上げて見直しをしないという作者さんもいらっしゃるようですが、私の場合はそれは無理です。

なので、最初はお試しのつもりで書きます。

その後、一日経って見直して、良くないと感じた部分を書き直します。

さらに、数日経ってから見直して、変だったり、クオリティが低いと感じたら、書き直します。

その後、先の展開を書き進めているうちに、あれは前半のここは、こうした方が良かったんじゃないかな? と思うことが起きてくるので、そうしたら、もう一度、書き直して、なんとか完成です。

とりあえず、初稿は下手でも仕方がないと割り切ることが、小説を書く最大のコツだと思っています。

このお便りがあなたの創作活動の参考になれば幸いです。
それでは、長々とありがとうございました。

こはるんるん

竜王に拾われて魔法を極めた少年
GA文庫の特設サイト:https://ga.sbcr.jp/special/ukkarimusou/
Amazon:https://www.amazon.co.jp/dp/4815618364

【お便りコーナー】第139回:やまだのぼる先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である やまだのぼる先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、やまだのぼる先生よりいただきました文面となります。

皆様こんにちは。やまだのぼると申します。
 7月25日に、「アルマーク3 闇の遺跡編」(公式ページはこちら)が発売されております。
 アルマーク、ウェンディ、モーゲンの三人が闇の力が秘められた謎の遺跡に挑む、大幅書き下ろしの一冊となっておりますので、ぜひお手に取ってみてください!

 自分ではものすごく壮大な物語を書こうとしていたのに、いざ書き始めてみたら第一話、第二話あたりのいわゆる冒頭部分を書いただけで筆が止まってしまって、本当に書きたかったところに到達しないまま放置してしまうことって、あると思います。
 私もそういう、玄関だけ作った空き家みたいな作品の残骸がパソコンのフォルダにたくさん残っています。
 そういう作品(の残骸)ってふとした時に読み返してみると、もう自分でも細かい内容を忘れているものだから、割と楽しく読めたりしますよね。
「あれー、これどうして途中で書くのやめちゃったんだろう」なんて思って。でもまた書いてみようとするとやっぱり書けないわけですが。
 そういう残骸を作らずに物語を軌道に乗せるためには、大長編を書く前に、同じ世界を舞台にした短編(掌編)をいくつか書いてみるといいんじゃないかと思っています。
 世界観を伝えるだけ、物語のキャラクターがどういう人物なのかを伝えるだけ、くらいの簡単な短編でいいと思います。
 それでもいざ書き出してみると、あれも決まっていない、これも決めなきゃいけない、という足りない箇所が次から次へと出てくるものです。
 大長編だと、設定を一つ決めるのにも「これからの展開に影響が……」とかいろいろと考えてしまってどんどん筆が重くなり、そしてどんどん面倒になっていってしまうものですが、短編ならその場で物語の都合に合わせてさくっと設定してしまえばそれでOKです。
 そうやっていくつか短編を作ると、もうその世界はただの設定の羅列ではなくて、あなたが作った人物たちが具体的なエピソードとともに生きている、血の通った世界になります。
 それから長編を書き始めると、筆が止まりそうなところは短編で設定を固めていますので、すんなりと進むことができますし、展開に詰まったら短編のキャラクターを持ってきて物語を動かしてもいい。
そんな感じで、少なくとも冒頭部分だけで詰まってしまうようなことはなくなるんじゃないかなー、と思います。
 それと、自分の作った世界について初めて物語を書くとなると、まずはどうしても一生懸命作った設定を語りたくなってしまいますよね。この世界はこうで、この国はこう、ここはこうなっていて、実はここにこんな謎があります……
 いくつか短編を書いてこの「設定を語りたい欲求」を発散させた後で長編を書き始めると、そのあたりもいい塩梅にこなれてきて、肩に力の入っていない自然な設定説明が過不足なくできるんじゃないかなあ、と思います。
 あくまでご参考ということで……

 最後になりますが、もう一度だけ宣伝を……
アルマーク3 闇の遺跡編発売中です。どうぞよろしくお願いいたします!

やまだのぼる