【お便りコーナー】第185回: 佐倉涼@もふペコ料理人10/30発売先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である佐倉涼@もふペコ料理人10/30発売先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、佐倉涼@もふペコ料理人10/30発売先生よりいただきました文面となります。

初めまして、佐倉涼と申します。

この度、私の作品「もふもふと行く、腹ペコ料理人の絶品グルメライフ」1巻がGCノベルズ様より10/30に発売予定となっております。

私は本作の書籍化の前に4作書籍化をしております。
ですが安定には程遠く、気持ちとしてはとても焦っておりました。
もっと読者さんが喜ぶような物語を、もっとポイントを取ってランキングで目立って人が集まる物語を研究して書かなければ……!と自分自身を追い込んで苦しくなっていた時期もあります。
そんなことをしていたら数字にばかり目がいくようになり、楽しく書いていたはずの小説が全然楽しくなくなってしまいました。

なので私は考えました。
原点に戻ろう、と。

というわけで本作はただひたすら、自分が書いていて楽しい作品を目指して書きました。
流行ワードも流行の物語形式も関係ない、自分の書きたいものを書く!のスタンスです。
全く気負わず肩の力を抜いて、アクセス数もPVもブックマーク数も、一切見ないで更新し続けていました。
そんな感じで書いていたので、当然書籍化なんて全く頭に入れていません。
でもとても楽しかったです。


そしてそんな風に更新していたら、書籍化のお声がけをいただけました。
この経験から私は「ああ、書きたいものを書いていていいんだな」と自分を認めてもらえたような気がして、とても嬉しかったです。

読者の方が読みやすいよう最低限の文章を整えるのは大切だと思います。
けれど何より大切にしなければいけないのは、「書きたいものを書く気持ち」なんだなぁと心底思っております。

このお便りをご覧の小説家の皆様にも、ぜひとも「書きたいものを書く気持ち」を大切にしてほしいと思います。

では、もう一度宣伝です!
「もふもふと行く、腹ペコ料理人の絶品グルメライフ」1巻がGCノベルズ様より10/30に発売予定!
公式X(旧Twitter)アカウントも稼働中!

【なろう版】
https://ncode.syosetu.com/n2240ip/

【書籍情報】
https://gcnovels.jp/book/1742

【公式アカウント】
https://x.com/mofu_ryourinin

【お便りコーナー】第184回: 古里(furusato)先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である古里(furusato)先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、古里(furusato)先生よりいただきました文面となります。

皆さん、お久しぶりです。
ここに再び登場できたのは小説家になろう様があってのことです。読者の皆様と運営の皆様。そして、一緒に切磋琢磨して書いている作者の皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

1年ぶりにこのお便りコーナーを書かせていただきます。古里と申します。
前回は、『悪役令嬢に転生したけど、婚約破棄には興味ありません! ~学園生活を満喫するのに忙しいです~』https://ncode.syosetu.com/n3651hp/
でアルファポリスのレジーナブックスから書籍として発売されました。
アルファポリスレジーナブックスの紹介のページはこちらhttps://www.regina-books.com/lineup/detail/1056603/9532

この度、『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/
がリブラノベル様から電子書籍化されました。
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
このなろうで書いたのに【お義兄様との洞窟探検】2万字の描き下ろしが追加されています。小さいヒロインのエリーゼはダンジョンに潜りたいとお義兄様に無理やり連れて行ってもらって、巻き起こす大騒動。後で知ったお義父様(皇帝)が怒るもエリーゼの前に撃沈、更に行ったダンジョンにはなんとあの…………、とても面白いお話になっています。
【8/26シーモア先行配信はこちら、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
【9/20発売アマゾンはこちら】
【9/20発売楽天はこちら】

2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
こちらの新規書き下ろしはセッシーとの出会いです。皇帝一家でセシール湖にお出かけしたエリーゼはお義兄様たちと湖の地下宮殿に冒険に出かけます。反逆の陰謀と共にそこにいたのは巨大な水竜で……
とても面白いのでぜひとも手にとって頂けたら嬉しいです。
【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
【10/19発売アマゾンはこちら】
【10/19発売楽天はこちら】

さて、このコーナーを読まれている方は、ご自身がラノベ小説家を目指していらっしゃる方も多いと思います。
そう言う皆様に脳筋の私がアドバイスできることは1つです。
あくまでも私の考えなので参考にして下さい。

色々頭を捻って頑張ってブロットを練る。
トレンドに則った小説を書く。
ランキング獲っている小説を真似て書く。
色んな方法を大先生方はおっしゃっています。

私も色々やってみました。
でも、なかなかうまくいきませんでした。必死にプット書いても全く読まれない、トレンドに乗ってこれこそいけるとおもいきや、いけない。


脳筋の私が結論付けたことはただ一つ。
それはただひたすら書くことです。
そうすればいつか必ず書籍化出来ます。
はああああ! そんな訳あるか!
ただひたすら書いていて、小説家になれるならそんな楽なことはないと思われるかもしれません。
でも、そうおっしゃられる方は何万字書かれましたか?
私、1つ目の作品が世に出るまでに約10作品。約200万字書きました。
この2作目が出るまでもまた約10作品約200万字書いたんのです。
毎日早朝と夜に合計4000字。ほとんど休む間もなく、1年間。
それを約4年間続けております。
コロナで本格的に書き出してから450万字くらいですから大体あっていると思います。

まあ、出来る天才の方は別です。
でも、書くたびにランキング獲っていればとっくにもう書籍化作家になっています。
そう言う方には私のアドヴァイスなんて必要ありませんよね。
私もそう言う文才がほしい……
でも、悲しいことに私は脳筋なので、ただ、ひたすら書くしか出来ないのです。
1作目が世に出てこれで私も書籍化作家の仲間入りできた。やったー、と喜んでいたのは最初だけ。
待てど暮らせど次のオファーが来ません。
1作くらい本になったからって次のオファーなんて来ないのです。
必死にプロット考えて、よっしゃーーーーこれで行けたと思ったのに泣かず飛ばず……
よくあることです。

プッツン切れて感情だだもれ、自分そのままで書いたのがこの作品です。
久々のランキング獲得とともに、書籍化のオファーが来ました。
何故ヒットしたかも自分では判りません。
ただ言えることはここまで書ききったからです。
200万字ダメなら300万字、ダメなら400万字書きましょう。
1作品10万字で、40作品も書ききれば、絶対に書籍化されるはずです。
書くのが嫌だ? もっと少ない字数で良いじゃない。
じゃあランキング取れていますか? 賞取れました?
必死に書いて賞に応募してそれを楽しんでやる。

夢が叶う。そのためにはやることが大切だと私は思っています。
夢のためには200万字。いつも楽しく書きながらそれが本になる。
これほど楽しいことはないですよ。
文章が下手だと感想欄に書かれる文才のない私が言うのだから間違いはありません。
もっと文章のうまい皆さんなら、絶対に書籍化されるはずです。
もっとも、私は自分の作品はどれでもすぐに書籍化出来ると信じています。
自分で何度も読んで腹抱えて笑えますから。
皆さんもぜひとも読んでみてくださいね。絶対に面白いですから。

そして、再度電子書籍の宣伝です。

『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど……』https://ncode.syosetu.com/n9991iq/
1巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど 卒業パーティーは恐竜皇子と恐れられるお義兄様と一緒に』
【8/26シーモア先行配信はこちら、3千字のSS商人の娘の独り言シーモア特典付き】
【9/20発売アマゾンはこちら】
【9/20発売楽天はこちら】
2巻が『王子に婚約破棄されたので、義理の兄が激怒してこの国を滅ぼすと叫び出したんだけど…… 帝国に帰還しての宮廷夜会、お義兄様にキスされてしまいました』
【9/25シーモア先行配信はこちら、3千字のSSドレス工房の主の独り言シーモア特典付き】
【10/19発売アマゾンはこちら】
【10/19発売楽天はこちら】

なお3巻の発売も決定しております。

絶対に面白いのでぜひともお買い求めいただければ幸いです。

古里

【お便りコーナー】第183回: 来須みかん先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である来須みかん先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、来須みかん先生よりいただきました文面となります。

【小説では、どの漢字を使うのが正解?】というお話。

こんにちは、来須(くるす)みかんと申します。

いつも楽しくお便りコーナー拝見しています。

私はこちらのコーナーには3回目の応募になるのですが、今回は『小説では、どの漢字を使うのが正解?』というお話です。

これは、私が商業デビューする前に一番気になっていたことです。

どの言葉を漢字にするか、ひらがなにするか、またはカタカナにするかによって、だいぶ印象が変わってきます。

なので、デビュー前の私は『もし、書籍で使う漢字が決まっているのなら、誰か教えてほしい』とずっと思っていました。

結論からいうと、【正解はなく、どの漢字を使ってもいい】です。

でも、デビューしたあとに分かったのですが、出版社さんによって、それぞれのルールがありました。

例えば、A社さんは「~ころ」とひらがな固定。でも、B社さんでは「~頃」と漢字固定など。

数字は特に各社によっていろんなルールがありました。

こちらでは「一人」で、あちらでは「ひとり」が正解。

「十人」と書いてほしいと言われるところがあれば、「一〇人」と書いてと言われることも。

これはもう打診をいただいた出版社さんのルールに合わせて、その都度、修正するしかありません。

なので、小説家になろうさんで連載するときは、どの文字を漢字にしても、ひらがなにしても、カタカナにしてもOKということなんですね。

話は少し変わるのですが【表記ゆれ】という言葉があります。

これは、作品内で同じ言葉なのに、違う表現をしていることを言います。

例えば、1ページ目では「うなずく」とひらがなで書いているけど、2ページ目では「頷く」と漢字で書いているとか、ざっくり説明するとそういうのです。

私は未だに小説家になろうさんで連載しているときは、その日の気分で表記ゆれまくりなのですが、書籍化する際には、これらを作品内ですべて統一する必要があります。

なので、【自分はこの言葉では、この漢字を使う】と決めておくと、書籍化する際に楽になるかもしれません。

そういう私は、最近になってようやくこのことに気がついて、自分が小説で使う漢字・ひらがな・カタカナ一覧を作りました。

次回作から、このマイルールに従い小説を書こうと思います。そうしたら、書籍化作業がもっとスムーズになるはず……どうして、このことに早く気がつかなかったのか悔やまれます。

ちなみに、この『そうか、一覧を作ったらいいのか!』と気がついたきっかけは、某大御所ミステリー作家さんが、そういう一覧を作っていて、どの漢字にどういうふりがなを、どれくらいの文字スペースでふるかまで、すべて事細かに決めている、ということをネットの記事で見たからです。

さすがにそこまではできませんが、「あっそうか、私も一覧を作ったらいいのか」となりました。

以上、何か参考になれば幸いです。

以下、宣伝です。

9/18にNiμノベルス様より、書籍が発売します。紙と電子両方です。コミカライズも進行中です♪

「捨てられた邪気食い聖女は、血まみれ公爵様に溺愛される ~婚約破棄はいいけれど、お金がないと困ります~」公式サイト:https://niu-kasakura.com/details.php?workNum=45

今回、購入特典がいろいろあるので(書き下ろしSS3種類、イラストペーパー付、有償アクリルコースター付)気になる方は、来須(くるす)みかんのXか、小説家になろうさんの私の活動報告で確認してくださいませ。

もう一つ宣伝です。
新しくコミカライズが連載スタートしました。

『社交界の毒婦とよばれる私~素敵な辺境伯令息に腕を折られたので、責任とってもらいます~』
 マンガ:霜月かいり先生

以下のサイトで連載中です!
 〇マンガPark:https://mangaparkprod.page.link/8zvQ
 〇ヤングアニマルWEB:https://younganimal.com/series/edc2509325617

どうぞよろしくお願いします。

【お便りコーナー】第182回: BPUG先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者であるBPUG先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、BPUG先生よりいただきました文面となります。

皆さん、初めまして。
9月10日火曜日にカドカワBOOKS様より「逃亡賢者(候補)のぶらり旅 〜召喚されましたが、逃げ出して安寧の地探しを楽しみます〜」が発売となりました、BPUGと申します。名前の読み方は”びーぱぐ”です。黒パグ大好き作家です。よろしくお願いします。

さて、書籍化となったこちらの作品、2024年1月2日に一旦完結マークを付けた時点で472話、213万文字という大長編となっていました。
そして小説家になろうの運営であるヒナプロジェクト様から、企業からの打診という度肝を抜くようなメールを受け取ったのが2024年1月17日。
なぜかそれに続いて数件他社様からも……
そうです。すべて完結してから打診をいただきました。

200万文字書いている間は何もなかったのに!
突然なんでこんなに!?

これが、正直な私の叫びです。
ほぼ毎日投稿をして一年半。472話。213万文字。
完結時の総合評価は7,248pt、ブクマは1,638件。スクショを撮ったのでばっちり残っています。
悪くない数字だと思います。自分で言うのもなんですが、ヒット作ではないけれど隠れてもいない良作といった立ち位置。
でもなぜか完結まではなんにも起こりませんでした。

なんでだろう?
担当者さんにも最初の打合せで「なんで今まで見つけられなかったのか……」なんて言われたことも覚えています。
根が単純なので「そんなこともあるんだ~」だなんてすんなり納得してみたり。

そう、そんなこともあるのです。
だから私が皆さんにお伝えしたいことは、「書き続けること」と「書き終えること」です。

どうか物語を途中で投げ出さないでください。
主人公を、キャラクターたちを大切にしてください。
主人公の未来を奪わないでください。
もしかしたらそれが書籍化作家になるという貴方の未来まで奪ってしまうかもしれません。

私のこの考えは、”商業作家”の姿勢からはもしかしたら外れているのかもしれません。
でも「作家になること」ではなく、「物語を書くこと」が好きな誰かには届いて欲しいと願っています。
数万、数百万という文字の山を築いた先から見える景色に光が輝きますように。


◆書報 - 出版作品詳細◆
https://syosetu.com/syuppan/view/bookid/7545/

【お便りコーナー】第181回: 有沢真尋@9.13「離婚するつもりだった」発売先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である有沢真尋@9.13「離婚するつもりだった」発売先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、有沢真尋@9.13「離婚するつもりだった」発売先生よりいただきました文面となります。

はじめまして。
お便りコーナーに文章をお送りするのは初めてです。
「小説家になろう」2018年登録の有沢真尋です。

このたび、小説家になろうに公開した短編「離婚するつもりだった。」の長編連載版が「離婚するつもりだった 私が顔も知らない旦那様に愛されるまで 」というタイトルで書籍化し、ビーズログ文庫(KADOKAWA)さまから9月13日に発売になります。
この作品は、短編版からずいぶん読者さんに応援頂いた小説です。
どうもありがとうございました!


私はこの数年間、短編のコミカライズや連載作品の電子書籍化、受賞作のノベルアンソロ収録や書き下ろしのお仕事などは頂いておりましたが、単著の紙書籍は2024年にして初めてです。
シンデレラだらけの「小説家になろう」では、ある意味で遅咲きと言えるタイプかもしれません。

「小説家になろう」という場所は、才能のあるひとがたくさんいます。
初めての投稿でランキングを駆け上がり、商業化!
投稿始開始一年以内に商業化!
一度商業化したら、以降の新作もそれまでの既存作品も続々商業化!
という先生方を、いっぱい目にします。

まれに、涓滴岩を穿つがごとく「ひとつの作品をずっと書き続けて、それで商業化しました」という選ばれし者もいます。そういう方は「好きなことを書けばいい!」「自分が面白いと思うものはいつか認められる!」という信念を発言したりもしています。

さらに作者の中には「作家になりたいと思っていたわけじゃないけど、なんとなくなってた」と言い出すひとまでいます……! そういった発言を目にするたびに「一生懸命に取り組んでいるはずなのに、結果がでない自分には何が足りないの?」と感じる作者さんもいるかもしれません。

いずれにせよ、こうして「さっさと商業化する」「いくつも商業化する」「売れ線など考えず好きなものを書いても商業化する」という方が見渡せばざくざくいるのが「小説家になろう」です。

作者以上に、読者さんは日々それを「当たり前の光景」として目の当たりにしているかもしれません。
読者さんが作者に求める才能や実力といったものの基準が「そこ」なのかと思うこともあります。
スコッパー気質(埋もれた名作を見つけるのが好き)でもない限り、たいていの読者さんは「外れ」をひきたくないでしょうし、才能のある作者の面白い作品を読みたくてなろうを開いているのではないかと思います。
書籍化したいと願いながら、なかなか声がかからない作者にとっては、夢がある反面、辛い環境でもあるかもしれません。


では、こういった「小説家になろう」という場所で、何年も何年も紙書籍(単著)を出すことなく日々淡々と書いていた私は、何を目的に何をしていたのか?

検索外にあるもの、別サイトオンリーのものを合わせればそれこそ500~600万字以上書いていると思います。なろう登録前は何年間も公募に出していたので、そのへん合わせるともう何作、何文字書いたか全然わかりません。

たまにSNSで「作家デビューするまでに書く平均は300万字」といった有識者の発言が流れてきたりしますが「もうとっくに書いた」と思っていました。「小説投稿サイトにいるとだいたい3年くらいで周りの顔ぶれが変わる」と言われても「私、ずっとここにいます!」とも思っていました。

たくさん書いて、何年も書いて、後から登録したひとがどんどん華々しくデビューしていっても自分のペースで書く。

そこにあるのは「いざデビューしたら、売れる作家になりたい」という信念です。
商業デビュー前に書いている期間は、私にとってずっと準備中の位置づけでした。

この「売れる」という言葉の響きにはムッとする方もいるかもしれませんが、私の考える「売れる」というのは「その作品があることでたくさんの仕事が新たに生まれて、この業界で生計を立てていけるひとが増えること」です。その中に「作者としての自分が、作家としての仕事を途切れさせずに続けていくことができる」という意味も含まれています。
それは、読者さんの支持なくしては成り立ちません。

書籍化しても、打ち切りになる作品があります。なぜそうなるのかを真剣に考えたとき「WEBで読めば十分。買ってまで読む必要はない」と読者さんに思われてしまったのではないか? と思いました。
一方で、大活躍の先生方の作品は、WEB連載で読めるにもかかわらず、グッズ付きの書籍が完売、電書も常に複数のストアでランキングに入っているという例もあります。とにかく熱い強火ファン、コンプリートする勢いで買う読者さんがついていて、しかも日々増えているのではないか? と素人考えながら感じます。

だとすると。
たとえば、たまたま書いた長編1作品で「いきなり人気が出て」「すごいブクマ数・ポイント数で書籍化」だけでは不安になりませんか?
その作品にファンがいたとしても「常時ランキングにいる」化け物作品でない限り、新規の読者さんはそれほど増えず、書籍化しても「ブクマしてくれている読者以外には全然知られていない作品」になっている危険性はありませんか?

私のように商業化まで長い時間のかかったひとは、そういう例をいくつも見て、自分だったらどうするかを考えています。

書籍化した先生が「最初の作品のときは逆お気に入り500名くらいだったかなぁ」と言っているのを見ると、「どんなにブクマがあっても、作者単体で読者に対するアピール力が弱いと打ち切りになるかも?」と考えたりします。
SNSで「フォロワーが多いからといって作品が読まれるわけじゃない!」と言っている先生を見ると「作家として認識してくれる読者さん(固定ファン)がいないと、宣伝力は低いのかな?」と考えます。

こういう考えから、自分なりに「このラインまでいかなければ、デビューしても作家としての活動を軌道にのせられない」(たとえば最初の紙書籍の時点で逆お気に入りさまは3000名以上など)という目標があって活動していたので、たとえ周りがどんどんデビューしても、焦らず自分のペースで何年間も書いていられたんだと思います。

その間、いろんな方にずいぶんお世話になりました。自分ひとりでここまで来れてないです、どうもありがとうございます。

また、「小説家になろう」には頭の良い方がたくさんいます!
私は短編コミカライズの単話配信があったとき、他の先生がしっかり書報申請しているのを見て「単話でもできるんだ!」と気づきました。
電子書籍化の際にお便りコーナーに文章を送っている先生を見て「電子書籍化のときでもOKなんだ!」と気づきました。
考えてみれば、当たり前のことでどこにもだめとは書かれていないのに、最初にやっているひとを見るまで全然思いつかないこともたくさんあります。日々、とても勉強になります。

準備期間が長いと「自分だったらどうする?」ということをたくさん考えることができて、それはそれでとても大切な時間になると思います。
私がお伝えできるのは「自分の活動、これまでの歩み」という一例だけですが、何かの参考になれば幸いです。


最後に宣伝をさせてください。

「離婚するつもりだった  私が顔も知らない旦那様に愛されるまで 」
2024年9月13日発売 ビーズログ文庫(KADOKAWA)

KADOKAWAさまは公式サイトが現在のところ停止していますので「小説家になろう」内の書報にてご案内させていただきます。

https://syosetu.com/syuppan/view/bookid/7522/

ご縁がありましたら、何卒よろしくお願いします。

有沢真尋