【お便りコーナー】第32回:卯堂 成隆先生

小説家になろうをいつもご利用頂きありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である卯堂 成隆先生よりお便りを頂きましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、 卯堂 成隆先生よりご連絡いただきました文面となります。



 皆様はじめまして!
 卯堂 成隆と申します。
 自分が「小説家なろう」に登録してからずいぶんと時間がたちましたが、ついに自分も書籍化することになりました。
 応援してくださった方々には感謝することしきりです。

 さて、ここで一つ自分も書籍化するために心がけてきたことをいくつかご紹介……といいたいところですが、たぶん他の方々がすでに口にしているようなことになってしまうので、少し趣向を変えてみようと思います。

 自分が語ること……それは、『小説家になろうをあと10年楽しむためにはどうするべきか?』です。
 お前ごときが何を言っているのかと思う方もいらっしゃるでしょうが、わりとなろうを長く見てきた人間の一人の意見としてお聞きくださればと思います。

 まず前提として、人は飽きる生き物です。
 いくらなろうの人気テンプレートでも、同じような話が多くなれば食傷気味になってしまうというのが人というもの。
 事実、なろうにおける人気作品のほとんどがテンプレートであるとはいっても、そのテンプレートの内容は時代とともに変化してまいりました。

 卯堂がこのサイトにお世話になりはじめたころは、異世界チートがまさに流行しはじめたところで、他には「周囲からは冴えない奴だと判断されているけど実はすごい!」みたいなテンプレートが多かったような気がします。
 あと、今ではカテゴリー自体がなくなってしまいましたが、いわゆる学園モノが多かった気がしますね。

 そのあとも、VRMMOの世界に転生する話や、ゲームの中の悪女に転生する話など、様々なテンプレートが生まれてきました。
 ですか、昔人気だったテンプレートが今はもう通用しないか?というと、実はそうでもないのです。
 理由としては、多種多様なテンプレートが生み出されてきたおかげで、それらのテンプレートが飽きられることがないからだと思っています。


 さて、ウェブを色々と見て回っていると、小説家になろうのことを「テンプレート小説しかない場所」と評価される方をよく拝見しますが、本当にそうなのでしょうか?

 卯堂は小説家になろうという場所を、『テンプレート小説しかない場所』ではなく、『数多くのテンプレートを生み出し続けてきた場所』だと思っています。
 そして、それだからこそここまで多くの人が集まり、そして作品を生み出す場所になったのではないでしょうか?

 テンプーレートを悪く思う方もいらっしゃいますが、自分はそうではないと思います。
 むろん悪い部分もありますが、それを補って余りあるほどの利点があるからです。
 テンプレートは、書き手が作品を作るための垣根を低くして、読者に安定した満足感を与えるというすばらしい効果がある。
 そういう見方は出来ないでしょうか?

 ここまで話せば、おそらく自分の言いたいことが分かってしまった人もいると思います。

 そう。
『小説家になろうをあと10年楽しむためにはどうするべきか?』
 その答えは、
『あと10年、次々に新しいテンプレートを生み出せる環境であればよい』
 だと思うのです。


 では、具体的にどうすればいいのか?

 作家の方、たまにでもいいのでテンプレート以外の作品も書いてみましょう!
 思いつきでもいいのです。
 たとえそのときは評価されなくても、数を撃てばそのうち当たります。
 自分を底辺だと思ったりしないで、自分が面白いと思ったものはまず書いてみましょう!
 次の新しいテンプレートを作るのは、そんな貴方です!

 読者の方、面白いと思った作品は、迷わずに全力で応援してあげてください!
 そして自分には合わないと思った作品も、誰かにとっては大切な作品です。
 広い心で見守ってあげてください。

 そして、そんな貴方たちによって新しいテンプレートが生み出される限り、小説家になろうは10年でも、20年でも楽しめる場所であり続けるでしょう。

 ……というわけで、恥ずかしいことを散々語った後で少しだけ宣伝を。
 2016/8/10、拙作『革細工師はかく語りき』がマックガーデンさんから発売されます。
 イラストレーターさんの鈴ノさんもすばらしい絵を描いてくださったので、もしよろしかったら手にとって見てくださいませ。

【お便りコーナー】第31回:一条由吏先生

小説家になろうをいつもご利用頂きありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である一条由吏先生よりお便りを頂きましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、 一条由吏先生よりご連絡いただきました文面となります。



皆様、初めまして。
今は無き松阪大学に漫画研究会があったことを後世に伝える使命を帯びた小説家こと
『ネトラレ男のすべらない商売』の作者、一条由吏です。

『ネトラレ男のすべらない商売』:http://ncode.syosetu.com/n4920cb/

 『小説家になろう』のタイアップ企画『第4回ネット小説大賞』(旧称:なろうコン)の受賞者の皆様、おめでとうございます。
 早いものですね。拙作が受賞してから一年があっという間に過ぎてしまいました。

 なぜ、拙作が受賞できたのだろうと思っている方も多いと思いますのでその謎に答えてみたいと思います。

 ズバリ言うと『運』です。これでは話が終わってしまいますね。運と言ってもクジ引きではないのです。出版社が欲しかったジャンルの小説がたまたま拙作だったというわけです。異世界を往復する物語も最近は増えてきてジャンルとして確立しつつありますが、当時はそれほど作品が無く、あっても目立っていなかったのでしょう。

 そうです。選んでくれる人の目にとまる必要があります。それはポイントだったり、ランキングだったりするようですが、そのほかにも、沢山の目立つ要素を提供できます。
 毎日更新は当たり前で1日4回更新する方もいたように思います。なかなか続かないですけどね。もちろん、継続は力なり……でもいいのですが。
 例えば、低ポイントでもランキングに乗るジャンルの小説はどうでしょう。拙作は、経営、M&Aなど社会派文学作品の一面があり、『文学』ジャンルとして登録しました。皆様の応援のお陰ですが、ジャンル別年間1位を取らせて頂き、情報雑誌にも紹介されました。
 もちろん、情報雑誌に紹介されたことも『あらすじ』で告知したり数々の目立つことを心がけたため、選んで頂いた方の目に止まったのだと思っております。

 一部の方は、目立つ行為をしないほうがいいと思われているようですが、目立たなければ、目にとまる事もないのです。私の例は極端かもしれませんが……。

 最後に受賞者などのこれから書籍を発売される方にお願いがあります。私は書籍発売後、東京・大阪・名古屋の書店に挨拶に伺いました。書店員の皆様は喜んでくださいます。時には目立つ位置へ本を移動してくれたり、発売後時間が経過しても平積みのままで置いておいてくれたりと色々と考えてくださいました。

 不思議かもしれませんが書店員さんも人間です。挨拶に来ない人間よりも来る人間のほうが好感を持ってもらいやすいです。ですから、発売されたら是非とも挨拶に行ってください。

 では少しだけ宣伝をさせて頂きます。

第3回なろうコン受賞作『ネトラレ男のすべらない商売』http://www.wtrpg9.com/novel/publish3/netorare.htmlは、ポニーキャニオン(ぽにきゃんBOOKS)より発売中です。
電子書籍版も発売開始されました。とても買いやすいお値段となっております。

また新作も連載開始しました。こちらもよろしくお願いします。

『ネトラレ悪役令嬢は復讐を果たせる?』:http://ncode.syosetu.com/n8132dh/

2016年5月
一条 由吏

【お便りコーナー】第30回:鬼影スパナ先生

小説家になろうをいつもご利用頂きありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である鬼影スパナ先生よりお便りを頂きましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、 鬼影スパナ先生よりご連絡いただきました文面となります。



みなさまはじめまして。
「絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで」を書いてる鬼影スパナです。
(http://ncode.syosetu.com/n5490cq/)

おかげさまで2016年4月に書籍化しまして、ラノベ作家になるという長年の夢がかないました。
このあいだ重版も決まりまして、ひゃっほう、です。

私は運よく日刊ランキングに載ってランキングを駆け上がることができまして、
日刊ランキング1位とかの激流に身を任せてどうにかしてたら作家になっていた……そんな感じです。
さすがは「小説家になろう」といったところでしょうか。

ついでに言うと、日刊ランキングは「載ったら終わり」ではありません。
日刊ランキングに載ったらそこが「始まり」なのです。
むしろそこで毎日投稿を続けたのが大事なことだったな、と今では思います。いやぁストックがあるうちに日刊載れて良かった……

と、そんな私は兼業作家で、作家とは別に本業があります。
実は、この「本業が別にある」というのが私が作品を書く上で大事なことなのです。

逃避エネルギー、というのをご存じでしょうか。
『テスト勉強を始めると無性に部屋の掃除がしたくなるアレ』です。

そう。つまり本業が忙しければ忙しいほど、無性に小説が書きたくなるのです。
ついでに収入的な意味でも心に余裕が生まれます。
特に私なんかは小心者なので、余裕がないと書けるものも書けなくなります。
なので、本業のおかげで良い循環を作ることができました。

さあ、小説家を目指していて他の仕事なんかしたくないと考えてる人。
逆です。小説家を目指してるからこそ他の仕事をするのです。
ついでに仕事の経験を生かしてリアルな表現ができるように!ひゅう!
小説は知識や経験をダイレクトに活かせるモノですから、何をしても無駄にはなりませんよ。仕事もうまく利用しましょう。


で、そんな仕事をしていて「働きたくない」という気持ちをぶつけた本作、良ければぜひ手に取って見ていってくださいな。

『絶対に働きたくないダンジョンマスターが惰眠をむさぼるまで1』(著:鬼影スパナ/絵:よう太)
http://over-lap.co.jp/865541182/

それでは、これからもよろしくお願いします。

【お便りコーナー】第29回:片遊佐 牽太先生

小説家になろうをいつもご利用頂きありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である 片遊佐 牽太先生よりお便りを頂きましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、 片遊佐 牽太先生よりご連絡いただきました文面となります。



 みなさん、こんにちは。そして初めまして。
 『美女と賢者と魔人の剣』作者の片遊佐 牽太と申します。

 『美女と賢者と魔人の剣』:http://ncode.syosetu.com/n4191cj/

 現在、『小説家になろう』のタイアップ企画『第四回ネット小説大賞』(旧称:なろうコン)の選考が行われておりますが、拙作『美女と賢者と魔人の剣』は前回の『第三回なろうコン大賞』の受賞作に選んでいただいた作品です。
 『第三回なろうコン大賞』では6284作もの応募作から、21作の受賞作と追加の1作の計22作品が書籍化されることになりました。そして『美女と賢者と魔人の剣』はその『22番目』に出版される書籍として、4月3日に発売を迎えることとなります。

 さて、現在選考が進んでいる『第四回ネット小説大賞』は、先日応募された7612作品から、一次選考通過の471作品が発表となりました。選考に通過された方、惜しくも通過ならなかった方、そして読者として応援されている方、それぞれいらっしゃると思います。
 今回は決して選考通過のノウハウを語ろうなどということではないのですが、前回『第三回なろうコン大賞』において拙作が受賞・書籍化まで到達した際のエピソードを少しお伝え出来ればと思い、お便りさせていただきました。何かしらをご参考にしていただければ幸いです。

 実は私は書籍化デビューを目指すのを、かなり前に諦めてしまった経緯を持っています。それ以来小説らしき文章を書くことすらしませんでしたので、この『小説家になろう』に辿り着いた時には、随分と『小説を書く』ということにブランクを持っていました。
 とはいえ一通り気に入った作品を読んだ後、いざ自分も書いてみようと思いました。ですが、なかなか手が動きません。ブランクがあるから当然なのですが、それでも何とか4万字ほどを書き溜めることに成功しました。今思えばそれは、乱文極まりない稚拙な内容です。でもそれを何とか一纏めにし、順次投稿していくことにしました。
 スタートで書き溜めを行ったのは、序盤に纏まった量を投稿しないと読者を獲得できないと思ったからです。ですがそれらを投稿し尽くした結果、ブックマークは10ほどしか付かず、付いた感想はゼロでした。
 誰しもスタートは知名度などありません。自分の書いたものに注目を集めるということがこれほど難しいものなのかと、その時実感しました。
 しかしながら諦めの悪い私は、それから出来るだけ毎日投稿し続けることにしました。時間を縫って書く小説ですから、中身は相当荒いものです。見直せば見直すほど改善点がありますが、とにかく物語を進めることを優先しました。
 それから2ヶ月ほど経つと、更新頻度が功を奏して少しブックマークが増えました。ですが話数が40を超え、文字数も優に20万字を超えた時点でブックマークは100ほどです。さすがにここまで来ると、そもそも自分が書いているものに対しての自信を失い始めました。
 『第三回なろうコン大賞』の募集に気づいたのは、そんな時のことです。私はぜひ審査を受けてみたいと思い、応募することにしました。
 更新はそれからも継続しましたが、相変わらずの低空飛行です。私は『小説家になろう』のアクセス解析を見て思いの外、序盤の数話で読むのをやめてしまっている人が多いことに気づきました。
 そこからしばらくは更新に加え、第一話から序盤のリライトとあらすじの見直しを行いました。小説自体を投稿し直すことはせず、これから読みに来てくれる方に期待して完成度を高めようとしたのです。
 それから少し経ったある日、初めてランキングの下の方を掠った日がありました。
 日間ランキングを駆け上がったのはそこからです。既に話数は60話近く、文字数は30万字に到達していました。掲載から早々にランクインする作品が多い中、ちょっと変わったランクインの仕方だったかもしれません。
 そして、多くの人の目に触れポイントが増えると、様々な意見を頂戴することになりました。それらを参考にさせてもらいながら、序盤の5万字ほどを更にもう一度リライトしました。それは書籍化を考えれば、やはりスタートの10万字(約文庫本1冊分)までの部分が勝負になると思ったからです(注:これは私個人の考えです)。
 そこから『美女と賢者と魔人の剣』は『第三回なろうコン大賞』の一次審査を突破し、二次審査、そして最終審査に残ることになっていきました。

 もし仮に、あの時の自分を褒めることがあるとすれば、低空飛行だったにもかかわらず「諦めずに続けた」ことに尽きると思います。なので私から申し上げられることは、やはり頑張って継続する、頑張って進めるということです。

 …ということでサクセスストーリーっぽく見えますが、実際はたまたま運が良かったというだけかもしれません。やはりこの世の中、上手くいかないことの方が多いですから…。

 幸いにして拙作は書籍となるチャンスをいただきましたので、第一巻の書籍化にあたって1000カ所近い修正と約2万字の加筆を行いました。小説というのは奇妙なもので、いくら見直しても直したい部分が尽きません。とはいえ完成度は高まっていると思いますので、低空飛行のスタートから書籍化まで漕ぎ着けた本作を、ぜひご覧いただければ幸いです。

 『美女と賢者と魔人の剣 ①』は、株式会社ポニーキャニオンのライトノベルレーベルである『ぽにきゃんBOOKS』から2016年4月3日発売です。

 ゲームを彷彿とさせる世界観と、ちょっぴりセクシーな冒険がお好きな方へ。
 『第三回なろうコン大賞』のオオトリを務める本作を、ぜひ手に取ってみてください。
 よろしくお願い致します。

『美女と賢者と魔人の剣 ①』(著:片遊佐 牽太/絵:六時)
http://www.ponicanbooks.jp/book/1346/

2016年3月
片遊佐 牽太

【お便りコーナー】第28回:kt60先生

小説家になろうをいつもご利用頂きありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者であるkt60先生よりお便りを頂きましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、kt60先生よりご連絡いただきました文面となります。



いつもお世話になっております。
モンスターズハーレム~物理さんで無双してたらモテモテになりました~
http://ncode.syosetu.com/n7613by/
という作品を連載しているkt60です。

今回は、書籍の五巻が販売しました。
http://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-75073-7.html

やっているのは、学園武芸会。
またの名をトーナメントでございます。

軽いノリで始めた大会ですが、思いのほか大変でした。
最終的には、本二冊に渡る規模になりました。
なにが大変だったかを、つらつらと書きます。
自作でトーナメントをやりたいと思っているかたの、参考になれば幸いです。

トーナメントを32人でやったら、32人。
16人でやったら、16人が参加します。
予選も入れれば、もっと増えます。

既存のキャラをメインにしつつ一部の試合は省略しても、一定以上の新キャラは必要になります。
しかも新キャラの大半は、ポッと現れてポッと消えるキャラクターです。
時間をかけて覚えてもらえばいいメインキャラと異なって、でてきた瞬間に「コイツはこんなやつ」とわかるようにしなければなりません。

漫画の場合、違いはデザインでわかります。
一方、小説は小説です。
漫画と違って絵がありません。
「口調やバトルスタイルによるわかりやすい違い」がないと、同じ相手と戦っているような気分になります。
20人とか30人分の、口調やバトルスタイルに試合展開を考えないといけないわけです。


死にます(^o^)/~~~


最初の何人かはよいのですが、一〇人目ぐらいから本当にキツくなってきます。
なのでやるなら、

・普段から、「バトル物でのお約束能力と倒し方ファイル」を作っておく。
・出場する既存キャラを絞る。

などとすると、詰まらずに行けると思います。
せっかくだから……と既存キャラたちの大半を参加させると、大変なことになります。