小説家になろうをいつもご利用頂きありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である舛本つたな先生よりお便りを頂きましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。
以下、舛本つたな先生よりご連絡いただきました文面となります。
初めまして、主婦の友社さまのプライムノベルスから『遺伝子コンプレックス』を出版させて頂きました、舛本つたな、です。
実は、私はこのお便りコーナーをいつも楽しみにしていた人間です。
万が一、億が一、自分の小説が書籍化したら、お便りコーナーに寄稿してみたい、と妄想しながら書籍化作家さんの云々何それを読んでいました。この度、何を間違ったのか書籍化してしまったので、夢が醒めない内に夢を叶えてしまおう、と書かせて頂いた次第です。
さて、私からアドバイス的な何かを……と考えた結果、
『書籍化して、調子に乗った私がやった恥ずかしいこと』
なんて、どうでしょう。最高だな! 自分の身を切り刻んで肴にする。お酒が美味しい! ビールを買ってこよう!
……では、こんなノリで、私の初めての打ち合わせを紹介しようと思います。
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今から、二週間前。
小説家になろうの運営からメールがあって、出版社から書籍化打診の連絡があったことを知らされた時はビックリした。(悪戯などを避けるために、運営を経由して連絡するのが通常らしい)
私はとても浮かれた。浮かれすぎて、もはや一種の錯乱状態になっていた。
電車の中で不気味な含み笑いをこぼすくらい混乱し、ひとしきり浮ついた後に友人にLINEをしまくった。私は書籍化するのだと、小説家になるのだと、手当たり次第、友だちに自慢しまくった。
「すごーい」
「っていうか、小説なんて書いてたの? Web投稿? え、ライトノベル? ライトノベルってなに?」
「……へぇ〜、そ、そうなんだ。あの、萌えってやつ? え〜と、アニメとか、そういうのかな?」
「そんなの書いてたんだ……」
「えっ。よ、読むよ。発売されたら教えて。それじゃあ」
友人の反応は歯切れが悪かった。
既読スルーされることも多かった。
自分が今まで隠してきたWeb小説の執筆という趣味、加えていささかサブカルに偏ったジャンルを好んでいたという事が盛大にバレてしまい。友人達はそれに対する適切な反応が分からなかったのだ。
その事に思い至り、私は冷や水を浴びたように後悔をした。
私は実感する。
人は何かを得るためには、何かを代償としなければならない。今、私は親しくしていた友人に何かをさらけ出し、何かを失い、それでも書籍化という夢を手に入れた。
もし、これから書籍化する人がいたら気をつけて欲しい。書籍化の連絡が来ても、友人に話すはよく考えてからにすべきだ。オタクに友人は少なく、貴重なのだから……。
私は、友人の大切さと、友人とはいえ自分の全てを受け止めてくれるわけではない事を痛感した。その後、まるで群れからはぐれて飢えた狼のごとく、同じ価値観をもつオタクを探し求めた。
リア充たちは、ウェイウェイ、と奇声を上げ、夜の街でハントしたガールとアバンチュールした数を仲間に誇る。それとまったく同じで、私もオタクの仲間を探し出して、書籍化したのだと自慢してやりたかった。
せめて、オタクの神に、私はなりたかった。
私はさっそく秋葉原にくり出した。仲間はそこにいるはずだった。この秋葉原の街でハントしたオタクに書籍化を自慢をして、ウェイウェイするつもりだった。
街行く人々をじっと見る。
ああ、ここには「ライトノベルなんて書いているの? ウケる〜」なんて内心で馬鹿にする人はいない。いい街だ。普段はAmazonばかりで、滅多に来なくなったが、ここはいい街だ。出版されたらまたここに戻ってこよう。アニメイトで30冊くらい買って、道ばたで配ろう。あ、そうだ。サイン考えておかなくちゃ。
さて、誰に自慢してやろうか……。
では、早速と、「あの、」と道行く人に声をかけても、誰も止まってくれない。「ちょっと」「ねぇ」などと、ボキャブラリー多彩に呼びかけを工夫してみたが、全然だった。
みんな、メイド喫茶の呼び込みには足を止めるのに……。
私は、実感した。
書籍化しても、コミュニケーション能力がなければオタクの神にはなれない。ましてや、ウェイウェイなんて出来るはずもないのだ。
家に帰った私の欲求不満は凄まじかった。
書籍化を誰かに褒めてもらいたかった。すごい、すごい、と言ってチヤホヤして欲しかった。可能であれば、一緒にウェイウェイ言いたかった。
私に残されたのは、両親だった。
親しかもうないと思った。実際、他にはもう誰もいなかった。そう言えば、書籍化した本作も『親子』をテーマにして書いたものだ。これは、何か運命的なものを感じる。
早速、親に電話をかける。
「もしもし、お母さん?」
「はいはい。どうしたのよ、急に電話かけてきて」
「あの、私ね。小説家になったの。……ライトノベルのだけど」
「はぁ!? なんね。本当?」
「う、うん。ライト、ノベルだけど」
「すごいやん。すごいすごい! 読むわー。絶対読むわー」
——これだ
私が欲しかったのはこれだった。そうか、私は親に褒めてもらいたかったんだ。子どもだった時みたいに、親に褒めてもらいたかっただけなんだ。
「ところで、らいとのべる、ってなんね?」
私は少し哲学的な気持ちになった。ライトノベルってなんだろう?
「どうした? らいとのべる、ってなんなんね?」
「えーと、何というか軽い小説、って感じの」
「はぁ」
「イラストとか……、アニメみたいな挿絵とかがついている感じの」
「はい? よう分からんわ」
「でも! 異世界チーレムとかじゃないから!」
「異世界ちーれむ? ねぇ、その異世界ちーれむってなんなんよ。教えて」
私は愕然とした。
考えてみたら当たり前だった。親が異世界チーレムなんて知っているはずがない。それは、私が日本を代表する名女優である吉永小百合を知らないのと同様に、母も日本を代表してしまっている小説形式、異世界チーレムを知らないのは当然なのだ。
私は実感した。
いつまでも親に甘えていたらダメだ。自分の承認欲求を、いつまでも親にお願いしていたらダメだ。私はもう、大人なんだから。
さもないと、私みたいになる。母親に対して、異世界で、チートで、ハーレムな小説の内容について、必死になって説明しないといけなくなる。
だから、みなさん。
書籍化しても、周囲への報告は落ち着いて冷静にしてください。
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……と、言うわけでWeb版『僕は、お父さんだから』を改めまして、書籍版『遺伝子コンプレックス』は、2017年6月21日にプライムノベルスから発売になります。現時点でもAmazonさんで予約できます。
もともとは10万字程度の話を、調子にのった私が19万字まで拡大して、編集が印刷原価を計算して青ざめた本作。もしよろしければ買ってやってください。買わない人もWeb版の『僕は、お父さんだから(http://ncode.syosetu.com/n0586cp/)』を読んでやってください。
それでは、またいつか。
長文、失礼いたしました。
舛本つたな
投稿者:kuro
小説家になろうをいつもご利用頂きありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者であるSwind先生よりお便りを頂きましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。
以下、Swind先生よりご連絡いただきました文面となります。
Swindと書いてスインドと申します。こちらには二度目の寄稿となります。
はじめましての方ははじめまして!
そうでない方は、いつもご笑読頂きましてありがとうございます。
さて本日は、拙作『異世界駅舎の喫茶店 ( http://ncode.syosetu.com/n2046cp/ ) 』の小説書籍版続巻が宝島様より5月25日に、そしてコミックス版がKADOKAWA様より5月22日に刊行させて頂くこととなりましたので、筆をとらせていただきました。
初巻の発売から8ヶ月あまりと少し時間がかかってしまいましたが、こうして皆様に再びご挨拶ができることを嬉しく思っております。
さて、上述の通り、拙作『異世界駅舎の喫茶店』につきましては今回幸運にもコミカライズの機会を頂くことができました。
そこで、コミカライズ作業を通じて感じたことを、僭越ながら皆様にお伝えさせていただければと存じます。
コミカライズの作業を通じて最初に強く感じたのは『小説』と『漫画』では魅せ方が全く異なるということです。
『小説』は、舞台や主人公の内面、動作など物語のあらゆる部分を『会話』と『地の文』という二つの文章で描写されます。
人称や書き方など様々な形はありますが、地の文で舞台の情景や登場人物の心理などを細かく描写していくこととなります。
一方、『漫画』には『地の文』がありません。その代りに舞台情景やキャラクターの個性は『コマ割り(構成)』『絵』を通じて描いていくことになります。
モノローグ的に文字として描写することもありますが、それもあくまで補助的なものです。
また、会話で使える文字数も小説より格段に少なく、短い言葉でどんどん話しが進んでいく形になります。
この違いは想像以上に大きく、『漫画として面白い』作品にするためには、話しの流れを変えたり、時には大きくカットしていくことも必要になります。
一方で、やはり物語としての『芯』の部分は削れません。
作品全体として描きたい主題の部分はもちろんなのですが、私の場合、キャラクターの行動やセリフ回しについては特に気を使っていただきました。
拙作の場合、コミカライズを担当いただいた神名ゆゆ先生や担当編集様とも細かく刷り合せを勧められたということもあって、本当に良い形で仕立てて頂いたと思っております。
そしてもう一つ。
コミカライズに当たってご苦労をかけたのが、舞台の『絵』として設定です。
例えば拙作で言えば、駅舎やホーム、喫茶店『ツバメ』の内部がどうなっているのか?
蒸気機関車は具体的にどんなイメージのものなのか?
主人公たちが載っていたのはどんな列車なのか?
料理はどのような感じなのか? 存在していいものは、ダメなものは? 使われている文字は?
……などなど、細かく決めていかなければならないことがたくさんありました。
特に建物の構造(部屋割りや内装外観など)は、小説では割とアバウトでも許される部分ではありますが、コミカライズとなると背景描写を矛盾なく行うためには相当細かな設定が必要となります。
正直申しまして、この辺りはコミカライズ作業を通じて、設定がどんどんしっかりと煮詰めることができました。これは神名ゆゆ先生に大感謝です!
ただ、小説を書く段階でどこまで細かな設定が必要かといえば、そこは作品次第といったところでしょう。もしコミカライズを目指すとしても、まずは『小説として楽しい作品』をしっかりと描くことが優先されると存じます。”執筆時間に余裕のある時”に妄想するのはきっと楽しいですけどね(笑)
さて、最後に宣伝など。
冒頭にもあります通り、小説書籍版の続編となります『異世界駅舎の喫茶店 小さな魔女と記憶のタルト』が2017/5/25に宝島社様単行本として刊行となります。
今回もWeb版から大幅に改稿して書き下ろしも追加、前回同様『書き下ろしレシピ』も掲載しております。
今回はなんと『ミスター味っ子』や『将太の寿司』などでおなじみの料理漫画界のレジェンド、寺沢大介先生に推薦の言葉を頂くことができました。本当に感激です!
もちろん、pon-marsh 様の素敵なイラストも必見です!
そして、コミックス版『異世界駅舎の喫茶店 1』もKADOKAWA様より刊行となります。
発売日は2017/5/22、MFCレーベル、こちらは『異世界居酒屋「のぶ」』からしのぶさんの応援メッセージを頂くことができました!
神名ゆゆ先生の漫画による、小説版とはまた違った楽しい『ツバメ』の雰囲気を味わって頂けるかと存じます。漫画版では名古屋ネタも結構突っ込んでいます(笑)
ComicWalker / ニコニコ静画の『異世界コミック』コーナーにて引き続き連載されますので、どうぞこちらも合わせてご覧いただければ幸いです
第5回ネット小説大賞も間もなく最終審査結果が発表されるとのこと。
今年もたくさんの作品が新たに書籍化になり、きっとこの中からコミカライズされる作品も生まれるでしょう(そういえばコミカライズ賞もありますね!)
そんな新しい作品たちに負けないよう、そしてこれから書籍化・コミカライズを目指される皆様に夢と希望を持っていただけるよう精いっぱい頑張って取り組んでまいります。
最後に。
本当に多くの方との『縁』に恵まれまして、こうして無事に続巻を発刊することができ、そしてコミックスも刊行することができました。
それもひとえに読者の皆様が応援頂いたからだと思っております。この場をお借りしまして厚く御礼を申し上げます。
書籍版もコミック版も、もちろんWeb版もぜひご笑読いただきまして、そしてたくさんお腹が空いていただけましたら幸いです。
2017年のいちばん良い季節のある日 Swind
投稿者:kuro
小説家になろうをいつもご利用頂きありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である佐竹アキノリ先生よりお便りを頂きましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。
以下、佐竹アキノリ先生よりご連絡いただきました文面となります。
小説家になろうユーザーの皆様、初めまして。佐竹アキノリと申します。
おかげさまで「魔物と始める村づくり!」が4月22日にレッドライジングブックスから、「逆成長チートで世界最強」が4月28日にヒーロー文庫から発売されることになりましたので、お便りを書かせていただきました。
なろうユーザーの多くの方は小説を書いている、あるいは書いてみようと考えていらっしゃるでしょうから、私が出版を通して学んだことをお伝えしようと思います。
やはり最初に言われるのは、読者さんを意識するということです。
もちろん、ひたすら自分のためだけに書く作品も、特定の誰かに届けるための作品も、とても素敵なものです。特別な思いがこもった至上の一作には違いないでしょう。
しかし、本を出すとなると、不特定の誰かに見ていただくことになります。誰かの手に届き、読んでいただくことでようやく作品は完成するのだと私は考えています。
そのために様々な方が関わって、デザインや表紙など様々な工夫が凝らされております。私などは著者というよりも、一冊の本の本文を担当しているという意識のほうが強くなりました。
さて、これは小説家になろうで投稿した作品についても同じことが言えるでしょう。では、読者さんに作品を届けるためにはどうすればいいでしょうか。
たとえばタイトルですが、造語ばかりにしてしまったり、読めない英語にしてみたりすると、読者さんにとっては読みにくくなってしまいます。もちろん、一概にすべてが悪いというわけではありませんが、ある程度、知っている言葉や興味をそそられる単語があったほうが親切だと思います。
あらすじや本文でも、今後の展開が読めず「これからどうなるんだろう?」とわくわくする内容だと、自然と引きつけられるでしょう。しかし、そこでいきなり大量に新しい情報を出してしまうとどうでしょうか? 読者さんはスムーズに読めず、何度も目で追わなければならなくなります。
かといって、情報が書かれていないと今度は逆に、どういう中身なのかが理解できなくなり、没入することが難しいでしょう。
そうした点は、読者さんをほんの少し意識するだけでもっとよくなると思います。
執筆の途中、私はよく自分に問いかけてみます。
「読者さんはこの話を見てどう思うだろう?」
「この単語で言いたいことが伝わるだろうか?」
「自分はアイディアをすべて知っているが、読者さんに提示されている情報は十分か?」
「こんな内容を入れて、戸惑ってしまうんじゃないか?」
ほんの少しだけ立ち止まる時間が、読者さんに優しい作品にしてくれるかもしれません。
ときにちょっとばかり説明を追加したり、ときに書きたいことを思い切ってシンプルにしてみたり。
これはすべてを読者さんに委ねるということではありません。なにかしらの書きたいものがあって、その情熱に任せて筆を執るわけですから、作者の都合が前面に出てくることもあるでしょう。けれどそこで読者さんのことを少しでも考えてみると、より多くの方が魅力的に思う作品になるのではないかと思うのです。
書籍化にあたって、ブラッシュアップの中で学んだことは、そうした小さな積み重ねだったのではないかと、これまでを振り返るたびに感じています。
私の話となりますと、「可愛い狐娘さんを書きたい!」というのがモチベーションになっているため、どうすれば読者さんに気に入ってもらえるキャラになるだろうかと考えることが多いです。
書籍化することになったシリーズすべてに狐娘さんが出てきていますし、おそらくそうした作者の都合を切り捨ててしまった場合、長く小説を書き続けていくことはできないでしょう。だからこそ、それ以外の部分ではできる限り、読者さんに物語を楽しんでいただけるように邁進しております。
大勢の作品の中から、自作を読んでいただけるのは、とても光栄なことです。そして読者の皆さんからの応援は、作者の皆さんの励みになることでしょう。
この話が皆様にとって少しでも価値あるものになり、楽しい小説家になろうでの活動が続いていくことを願っております。
最後になりますが、宣伝をさせていただきます。
「魔物と始める村づくり! やる気なし魔導師の開拓記」がレッドライジングブックスから4月22日に発売されます。イラストレーターは40原先生で、可愛い狐娘さんのイラストがたっぷり詰まっています。
「逆成長チートで世界最強」がヒーロー文庫から4月28日に発売されます。イラストレーターは「幼女戦記」の篠月しのぶ先生で、とてもかっこいいイラストを描いてくださいました。
書店さんで見かけた際は、お手にとっていただけると嬉しいです。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。皆様が楽しく小説を書き続けられ、素敵な小説に巡り会えるようお祈りしております。
佐竹アキノリ
投稿者:kuro
小説家になろうをいつもご利用頂きありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者であるdarnylee先生よりお便りを頂きましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。
以下、 darnylee先生よりご連絡いただきました文面となります。
このような僕のルサンチマンの発表の場を与えて頂き、まことにありがとうございます。
どうも、darnyleeと申します。
小説家になろう様で、『オークの騎士』http://ncode.syosetu.com/n4430db/と『影と救済の金融屋(シャイロック)』http://ncode.syosetu.com/n4461dt/という作品を連載しております。
突然ですが皆様、『モテる男の条件』と言うのはご存知でしょうか。
たまにありますよね? ちょっとエッチなゲームとか、女の子がいっぱい出てくる小説とかで、主人公が特別な理由もなくモテまくる奴。
朝から幼馴染とか可愛い妹に
「もう、早く起きてよお兄ちゃんっ! 朝ごはん冷めちゃうんだからねっ!」
と言われ、優しく起こして貰ったり。
学校に行けば、特に理由もなく周囲から一目置かれ、美人の年上の先輩キャラとかに
「ふふ、君のことを気に入ったよ。またここに、遊びに来ると良い」
とか言われて、生徒会室に誘われたり。
図書室で本を読んでいる内気な女の子(前髪上げると可愛い)とかに、ちょっと話しかけただけで、「先輩と話してると、すごく楽しいです……///」 とか言われたり、そんな都合良く楽しいバラ色の日々。
そんなものはね、全部イケメンにだけ許された特権なんですよ。
※ってやつです。
常識で考えて下さい。 素直で可愛い妹なんて虚構の存在で、現実では顔を合わせるたびに「おい」とか「お前」、とか二人称で呼ばれ、なんなら「ゴミ」とか「カス」とか、下手をすればすれ違いざまに舌打ちだけでお互いに言葉もかわさない人も多いハズ。
学校で憧れの美人の先輩に話しかけたらすげなく対応され、図書館で内気な子に話しかけたら怯えられて逃げられる。
それが僕らの生きている現実なはず。(厳しすぎ?)
ああいう特に理由もなく周りからモテる男って言うのは、大抵”〝イケメン〟”なんですよ。
もしくは親が金持ちです。
僕はああいう理由の描写もなくモテまくる主人公が嫌いだし、なんならそれになびいてくるヒロインたちも、ただのイケメン好きの尻軽女にしか見えなくて、まったく可愛く思えないんです。
現実が辛くて虚構に逃げたはずなのに、虚構でも現実の醜さを突きつけられるって嫌な感じじゃないです?
主人公がモテるには、モテるなりの説得力があって欲しい。
そう思ってできたのが、本作の主人公〝ソロン〟です。
彼はモテます。モテまくります。男性からは尊敬され、会うたびいろんな女性からも好意を向けられます。
ですがそれにはすべて、それなりの理由があるわけです。
ソロンは男気と慈悲に溢れ、強さと誠実さを併せ持つ理想の大人の体現像です。
その真の精神のカッコ良さの前には、顔の醜さも何らマイナスにもならないわけです。
モテるだけの納得が出来る理由があれば、その主人公になびいているヒロインたちも、より魅力的な存在に映るはず。
少なくとも僕はそう信じている訳です。
男の価値は顔でもステータスでもねえ!
男の真の生き様を見よ!
そう思い、拙作を小説家になろう様で連載させて頂いております。
その熱意が伝わったのか、読者の皆様からご厚情をいただき、ぽにきゃんbooks様からお声を戴き幸運にも書籍化まで至ることが出来ました。
そしてなんとその『オークの騎士』二巻が、4/17月曜日から発売開始です! \マアナンテグウゼンデショ!/
これを機に拙作にご興味を持たれた方がいらっしゃいましたら、ぜひ書店で手にとってお楽しみ戴ければ幸いです。
最後になりましたが、このような素晴らしい自作の発表の場を作って下さった『ヒナプロジェクト』様。
そして、これまで応援して下さった読者の皆様。これから興味を持って下さる未来の読者の皆様に最大限の感謝を込めて、この場の〆とさせて頂きます。
皆様にとっての創作が、より楽しく、より実り多きものとなりますように。
どうもありがとうございました。
Darnylee
投稿者:kuro
小説家になろうをいつもご利用頂きありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である悠戯先生よりお便りを頂きましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。
以下、 悠戯先生よりご連絡いただきました文面となります。
ハロー、ハロー。
グーテンターク。
どうも、こんにちは。
宝島社様より『迷宮レストラン』刊行中の悠戯と申すケチな物書きでございます。ご存知の方は毎度お世話になっております。そうでない方は、どうぞお見知りおきを。
さて、それで今回お便りコーナーに再びお邪魔しに来たわけなんですが、このコーナーをご覧の方ってご自分でも文章を書いているとか、いつか書いてみたいと思っておられる方がそれなりの割合でいらっしゃると思うんですよ。別に誰かに聞いてみたわけではないので、あくまでもそんな気がするってだけですが。
で、そんな皆様にお聞きしたいんですが、ご自分で物語を書き始める前と後とで、文章の“読み方”に変化はありませんでしたか?
従来の“読み手”として以外の視点が増えたとでも言うんですかね。
私も、書き始めてからしばらくの間は気付いていなかったんですが、どうもここ二年ほど本を読むスピードが遅くなったりだとか、一冊読むだけで妙に疲れる気がしましてね。
読書スピードには学生の時分から密かに自信を持っていまして、お金がないので図書館に通っては色々なジャンルを読み漁っていたわけですよ。人生で一番読書量が多かった二十歳前後の頃は年間五百冊は超えていたと思います。大学の長期休みとかだと、毎日五冊ペースの時期もありましたし。
でも、それが最近では一日一冊もキツイことが頻繁にありまして。
まあ、私もとうとう三十の大台に乗りまして、てっきり歳を食って集中力が落ちたのかとも思ったんですが……どうも、そうじゃなさそうだと最近気付いたんですよ。
いえ、人間三十過ぎてから一気に身体にガタが来るって話もよく聞きますし、そういう要素もなくはないんでしょうがね。
十代二十代の皆さん、若いからって夜更かしが続くと後で一気にツケを払うことになるので注意したほうがいいですよ。夜更かしって慣れるんじゃなくて、単に疲労が慢性化して身体が弱ってることを自覚できなくなってるだけですから。実際は着実に脳にダメージ入ってますからね?
日頃からちゃんと睡眠時間確保して、できれば運動もして、あとマメに野菜食っておきましょう。ブロッコリーがオススメです。あと納豆もいいですよ。
おっとっと、ちょいと脱線してしまいましたが本題に戻りますと、文章を自分で書くようになると、読み専だった頃よりも視野が広がると思うのですよ。
これは何も文章だけの話じゃあなくて、イラストや漫画やゲームみたいなインドア寄りの分野から、アウトドア系のスポーツまで、プロアマの別を問わず色々なところに似たような話はあるようです。発信者側になると自然と目線が玄人寄りになるんでしょうかね。
まあ、これは考えてみれば当たり前の話でして、発信者である製作者(クリエイター)や選手(プレイヤー)と、受け手である観客が同じ視点であるはずがない。
私はコンテンツの発信者と受け手は対等の立場だと考えていますが、その高さは同じでも、立ち位置が違えば見える景色が変わるのは必然でしょう。
それで、これはあくまで私個人の経験なので、他の作者様も同じかどうかは分からないんですが、小説を自分で書き始めてから、文章を読む時に注視している部分が、いつの間にか以前と変わっていまして。
読書スピードが落ちたのは、読み込む深さが自分でも知らぬ間に変わっていたからだったんですね。
ラノベの場合、以前は『キャラの魅力』だとか『ストーリーの筋書き』といった部分にまず目が行っていました。
現在でもそれらは勿論重要なポイントには違いないのですが、現在はそこに『文章のリズム感』だとか『情景の空気感』や『言葉選びのセンス』なんかの評価要素が加わってきまして、良い作品を読んだ時に「面白いなあ」という以外に「この人、上手いなあ」、「すごいなあ」とも感じるのですよ。
例えるなら格闘技の試合なんかで、派手なKOを連発するスター選手だけでなく、駆け引きの巧みさで確実にポイントを重ねていくベテラン選手のいぶし銀的な良さが分かってきた、みたいな感じでしょうか。
(あと、これは書き手の方向けの話なんですが、筋書きとかキャラのような表面的なネタではなく、『リズム感』とか『空気感』みたいな一見して分かりにくい部分をパクる分にはまず読者には気付かれません。著作権的にも完全セーフなので、上手い人の技術はどんどん盗んでいきましょう)。
読み専の中にもそういう目線で文章を評価する方々は当然いらっしゃるのでしょうが、大半の方はそこまで見ていないんじゃないでしょうか?
別に統計を取って検証したわけではない勝手な決め付けなので、異論反論のある方もいらっしゃるかもしれませんけれど。
ただ、人気作の中にも文章は荒削りだけれど勢いや熱さに魅力がある方も珍しくはない……というか、そっちが現在の『小説家になろう』の主流なんじゃないですかね。分かりやすくキャッチーな面白さが第一に求められているんでしょう。
(正直なところを言えば、ランキング上位の作品を見て「ちゃんと読めば自分のほうが絶対面白いのに、どうしてこいつの方が評価されてるんだ」なんて具合に、心が暗黒面に堕ちそうになったことも一度や二度ではありません)。
まあ、私も別に玄人目線なのが偉いとまで言う気はありません。
ええ、あんまり?
そういう気持ちも、ほんの少しはあるかもしれないですけどぉ?
好みなんて結局人それぞれだしぃ、まぁ別にぃ?
どう読んだって、好きにすればいいんじゃあないですかねぇ?
…………まあ、茶番はともかく、小説の面白さっていうのは一見すると分かりにくい部分にもあるのです。
その点に関しては誰がなんと言おうと断言します。
同じ作品を二度三度と読み込んでいかなければ気付けない種類の面白さは確実に存在しますし、百回読んだ作品にだって百一回目に新発見が隠れていないとも限りません。
これは小説に限った話ではありませんが、一度読んで合わないと思った作品を何かの折に見返したらハマったなんて経験はありませんか?
食べ物でも、年齢を重ねていくうちに味覚が変わって、子供の頃に苦手だった物が無理せず食べられるようになったり、大好物になったりすることはありますよね。
ならば、表面だけなぞって作品を味わい尽くした気になっているのは、なんとも勿体無い話。
貴方が十の面白さだと思った作品は、実は二十にも百にも面白くなり得るポテンシャルを秘めているのかもしれないのですから。
世の作者が日々文章力を磨くように、読者の皆様も読み方を磨いてみては……というと堅苦しいので、普段とはちょっと見方を変えてお気に入りの作品を読んでみては如何でしょうか。
なんなら、読み専の方も一度お試しのつもりで何か書いてみるのもいいかもしれません。
もしかしたら、隠れていた才能が目覚めたりするかもしれませんし、いつも読んでいる作品がもっと楽しめるようになるかもしれませんよ?
では、今回はこれにて失礼。
投稿者:kuro