【お便りコーナー】第169回: 宮前葵先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である宮前葵先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、宮前葵先生よりいただきました文面となります。

 初めましての方には初めまして。宮前葵です。

 この度、当サイトでも大好評を頂いた「え? 私がぽっちゃり公爵の嫁になるんですか?」 https://ncode.syosetu.com/n3565ii/ が電子書籍化されました!題名はちょっと長くなって「え? 私がぽっちゃり公爵の嫁になるんですか!? 彼の素敵なところが分かるのは私だけのようです!」となっております。

 コミックシーモア様から先行配信されています。
https://www.cmoa.jp/title/1101423160/

 また。6月20日には各電子書籍配信サイトで配信されます。
https://amzn.asia/d/3jv2AaH(Amazon)
https://bookwalker.jp/series/472226/(BOOK☆WALKER)
https://honto.jp/ebook/pd_33454539.html(honto)

 こちらの作品は、2023年8月29日より、9月7日まで、ランキングで月間総合1位にして頂き、2024年5月27日現在、年間ランキング34位にランクされています。望外な大好評を頂いた作品です。これに後日談と閑話を書き足し、シーモア版には特典も書き下ろしております。なろう版読んで続きが気になった方なら絶対に読みたい後日談になっておりますので、是非お買い上げ下さい!

 という事で宣伝はこの辺にして創作についてのお話をば。

 投稿された皆様の作品をちょこちょこ読んでいると、話の筋や内容は面白そうなのに、読んでいてイマイチ面白くないな、続きを読みたくならないな、という作品がたまにあります。

 そういう作品は「盛り上げ方が上手くない」からつまらなく感じるのだと思います。

 どういう事かというと物語で盛り上がるべき、ピークを作るべきシーンで、何となくサラッと流れてしまう。他のシーンと時間の経過が同じスピードで、文章量も同じで、うっかりすると読み流してしまうほど内容が薄い。

 それだと、せっかくの面白さが読者に伝わらず、評価を下げてしまう結果になるんじゃないかと思いますね。

 盛り上がるシーンでは時間を大きく引き延ばし、文章量をがっつり増やし、感情表現も爆発させてキャラの行動を際立たせる事が必要です。読者に強制的にでも目を惹かせる。じっくり読ませる。それが大事だと思います。

 もっとも、ずっと盛り上がっていたら濃過ぎて飲み干せないような作品になっちゃいますので(笑)、緩急が大事です。普段は口当たりの良さ読み易さを意識して、ピークにだけ濃縮して行く事を意識しましょう。

 如何でしたでしょうか? 皆様の創作の参考になれば幸いです。これからも書いて行きますので、応援よろしくお願い致します!

 宮前葵

【お便りコーナー】第168回:紬夏乃先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である 紬夏乃先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、紬夏乃先生よりいただきました文面となります。

皆様はじめまして。紬夏乃と申します。

 このたび、電子書籍『勇者な王太子殿下が魔王に呪われましたが私が即座に口付けします~報酬に3食とおやつと昼寝付き生活ありだと思う~ 』が5月24日に発売されました。

 せっかくの機会です。毎回楽しく拝読させて頂いている「お便りコーナー」を、わたしもしてみんとてするなり。と考えてみたものの、電子書籍を出して頂くのは初めてです。商業作家として言えることは、まだ何一つ持っておりません。

 ですが、ありがたいことにここ「小説家になろう」で作品を公開し、ランキングに乗せて頂く、たくさんの感想を頂く、という経験をさせてもらいました。

 その頂いた感想の中で、今WEB小説として求められているものについて感じたことを書かせて頂きたいと思います。

 わたしは物語の横道を広げる話を書くことがまあ苦手です。なんなら主題でも必要な箇所以外はバチバチに折りたたみます。地の文でさらっと流します。全力で短くまとめてしまうので、それは「長い話が書けない」というまあまあな欠点でもあるのですが、幸いなことに、頂く感想ではそこを好意的に受け取って頂いております。

「さくさく進む」「過不足ない」「小気味良い」……抜粋するとそんな感じです。そしてわたしはふと気付きました。今WEB小説で求められることは、もしかしたらそういうことなのかもしれない、と。

 思えば自分にも心当たりがあります。動画サイトで面白そうなサムネを見つけ、再生する。そして始まるOP。中々本題に入らず、ずっとなんか喋ってる。延々と続くチャンネル説明に高評価グッドボタンチャンネル登録を……耐えて2分ですね。無理。めんどくさって思って見るのをやめます。

 WEB小説で考えると、タイトルとあらすじがサムネなのでしょう。そこで読もうと思ったら始まるのが本文……たいへん! すぐに主題に入らなくちゃ!!

 主題を進めて、登場人物も絞って、必要で面白いところを叩きつけるのです。そして書籍化の打診を受けた際に、担当さんにこう言うのです。「この話には、書き下ろしの拡張性がこんなにもあるのだぞ」と……! ワアかっこいい……! いいなあ……!!

 書籍化で求められるものは、規定の文字数、そして人気がでた際の拡張性なのでしょう、たぶん。だって人気作めっちゃ続刊してるし。そして『買う』という行動が必要な分、読者さんにじっくり読んでもらえる。しかし今WEBで求められるものは、たぶん、サクサクした前進なのです。短編人気だし。

 WEBで読んでもらえる/書籍で読んでもらえる、はきっとちょっと違う。この話がもしかしたら誰かのランキング上昇への一助に、なれ……なれ……たらいいなあと思います。

・最短ルートを邁進し続ける作者のマイページはこちら↓
https://mypage.syosetu.com/711776/

・結局最短ルート以外見つけられなかった電子書籍はこちら↓
https://amzn.asia/d/fxhGTmq

を見て頂けたらとてもうれしいです。

 では皆様、良い創作ライフを!

【お便りコーナー】第167回:ミミ@5/31『生放送! TSエルフ姫ちゃんねる』発売先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者であるミミ@5/31『生放送! TSエルフ姫ちゃんねる』発売先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、ミミ@5/31『生放送! TSエルフ姫ちゃんねる』発売先生よりいただきました文面となります。

 ふむふむ。規約を読みました。「お便りコーナー」は作家による「アドバイス」や「雑談」を募集しているわけですね。なるほど。
 何のアドバイスとは書かれていないので、上手なザリガニの釣り方を書いても許されると思いましたが、そんなこともあろうかと雑談も募集しているわけですね。なろう運営、なかなかやりおるわい。

 改めまして、5月31日発売『生放送! TSエルフ姫ちゃんねる』の作者ミミです。
 このまま3億文字ほど雑談で埋めて、世界一長い雑談でギネスに載ることも考えましたが、1万5000文字制限があるので断念します。なろう運営、なかなかやりおるわい。

 というわけで、今回のテーマはこちら『非web公募新人賞となろう書籍化の違い』です。私の経験を元に少しお話しようと思います。

 私は集英社と講談社、それぞれの新人賞から刊行した経験がある作家です。どちらも、なろうで応募可能なweb公募新人賞ではなく、誰も見てない原稿をそのまま送るタイプのものでした。
 こういった非web公募新人賞は、基本的に下読みから審査員まで全員が全文を読みます。いきなり主人公が刺されようと削り方間違って重要な説明を入れ忘れたまま応募していようとミミとかいう変な名前で送ろうと、ちゃんと読んでくれます。よく読んでくれたなぁ。
 一方で、なろう書籍化の場合、出版前の読者は皆さん一般ユーザーです。途中で読みやめるのは当然の権利で、更新間隔が広かったりどこまで読んだかわからなくなっただけでも読みやめることがあると思います。私はありました。

 なので、『非web公募新人賞となろう書籍化の違い』はいろいろありますが、私は「読者に読みやめる権利があるかどうか」が一番大きな違いだと思います。

 私はなろうで書くにあたって、この「読者に読みやめる権利がある」ことを念頭に置いて、非web公募新人賞とはまったく違う書き方を構築しました。
 とにかく文章を軽くして読む負担を減らし、最序盤でテーマが把握できるようにしてわかりやすくし、あえて構造をワンパターンにして話の筋が予想しやすいようにしたのです。完璧です。次世代の小説です。もはや、人類は小説の新たな可能性にひれ伏すべきです。
 書き始めました。地の文が一行もない話すらある小説が出来上がりました。なんで?

 そんな不思議な作品ですが、ありがたいことに『生放送! TSエルフ姫ちゃんねる』は1年足らずで1000万PVを突破し、複数社から書籍化やコミカライズの打診を受けました。どうやら、私が思うよりもずっとずっと読者は懐が深かったようです。なろうユーザー、なかなかやりおるわい。

 ここまでお読みくださった皆さんにも一読していただけると大変嬉しいです。それでは、失礼します。

5月31日発売『生放送! TSエルフ姫ちゃんねる』amazon商品ページ
https://www.amazon.co.jp/dp/4065348455/

Kラノベブックス生放送! TSエルフ姫ちゃんねるページ(こちら、試し読みもあります)
https://lanove.kodansha.co.jp/new_books/2024/6/2.html

【お便りコーナー】第166回:茅先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である茅先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、茅先生よりいただきました文面となります。

はじめまして、茅(ちがや)と申します。
5月23日、5月30日と2週連続で「ダイアナマイトー転生令嬢は政略結婚に夢を見るー」がエンジェライト文庫様より刊行します!
1冊ワンコイン+税とお手頃価格です!

ここまでこれたのも皆様と、ヒナプロジェクト様のおかげです!
応援ありがとうございます!
怪しげな打診を弾き、信頼できる会社だけ取り次いでいただきありがとうございます!

書籍版は新規エピソードを加筆し、展開も一部変えています。
書籍のみ、Webのみでも楽しめますし、書籍→Web続編の流れになっても齟齬が無いようにしています。

1巻は覚醒した主人公・ダイアナが息をするように、立ちふさがる連中をざまぁしまくり。
2巻は怒涛の展開からのハッピーエンド。Webでは語られなかった、天敵の内心描写もあったり。

恋愛小説ですが、同文庫の錚々たるラインナップと比べると、拙作は完全に異色です。
どのくらい異色かは、実物を手にとっていただければと思います。



では本題の、書籍化を目指す方(もしくは多くの人に読まれたい方)へのメッセージです。
私は受賞歴なし、所属団体なしなので、運良く拾い上げされた人間の個人的な考えであることを念頭においてください。

まず既出の意見ですが、完結させましょう。
物語を畳むという経験が得られるだけでなく、信用も築くことができます。
私は長いこと読み専でしたが、面白い作品があれば、その作者の作品一覧を確認します。
更新ストップしている作品が多く、完結作品が少ないと、完結の望みなしと判断して撤退します。これ以上好きになって、涙したくないので……。

伸びなかった作品に見切りをつけるのは問題ありません。
その場合は、キリの良いところで終わらせましょう。
もったいなく感じるかもしれませんが、次の連載がうまくいったらそちらに夢中になるのが人というもの。

次に設定やキャラクターを、いっぺんに放出しないようにしましょう。
私は過去にやらかしました。
序盤にまとめて説明した方が良いだろう、と見事に脱落者を量産しました。
文才のある人は問題ないんでしょうが、そんな人はとうに書籍化していて、このメッセージの対象外です。

才も経験もない私は、世界観は小出しにし、新キャラの登場も1話につき3名まで(理想は2名)。読者が咀嚼してから、次を出すよう心がけています。
上記の人数は自分が読者だったらの基準です。国名、人名、スキル……初見の固有名詞を並べられ其々についてつらつら説明されると、目が滑るというか読み飛ばしてしまいます。オレ馬鹿だからよう。
商業作家を目指すなら、ユーザーフレンドリーの姿勢は大事です。

最後にイマジナリー読者(or編集者)に、執筆を見守ってもらいましょう。
読者の設定は、その小説のターゲット層です。
そのスピリチュアルな存在の言いなりになれ、という話ではありません。
あくまで主導権は貴方の状態で、二人三脚状態で作品づくりをしてみてください。

書いたことに満足して終わらず、世間に公開するのなら、貴方の世界を小説という形にして他人と共有することが目的だと思います。
その文章を目にした読者が理解できなければ、目的が達成できません。
作者のこだわりは最優先に。ただ話の展開や設定において「なんでそうなるの?」「それ矛盾してない?」と第三者目線で質問された時に、これはこうだと答えられるようにすれば充分です。全てを書き連ねる必要はありません。

ダイアナマイトがどんな読者をターゲットにして書かれたかは、1巻あとがきに書いています。
興味のある方は、本文を呼んだ後にそちらもご一読ください。

今は低ポイントでもレーベルにマッチすれば打診がきますが、そのジャッジをするのは編集者です。
編集者は目の肥えた読者です。
ぜひとも一般の読者も、プロの編集者も釘付けにするような作品を書いてください。

隙あらば宣伝を挟みつつ、私からは以上です。
「オメーの小説に興味ねぇけど、このコーナーは参考になったわ」という方はXの書籍告知にリポストお願いします!
本買ってくれとか、レビュー書いてくれとか、評価くれとか言わないんで! いや本音はそっちもお願いしたいんですがね!!

販売ストア一覧(https://angelitenovels.com/stores-on-sale/
茅X(https://twitter.com/31ohgaUMA

【お便りコーナー】第165回: 霜月零@5/17発売『「君を愛することはない」と旦那さまに言われましたが、没落聖女なので当然ですよね』先生

小説家になろうをいつもご利用いただきありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である 霜月零@5/17発売『「君を愛することはない」と旦那さまに言われましたが、没落聖女なので当然ですよね』先生よりお便りをいただきましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、霜月零@5/17発売『「君を愛することはない」と旦那さまに言われましたが、没落聖女なので当然ですよね』先生よりいただきました文面となります。

 初めまして。
 もしくはこんにちは。
 霜月零です。
 霜月は『しもづき』と濁らせて読んでくださいね?

 さて、本日お手紙を送らせて頂いたのは、新刊告知の為です。

『「君を愛することはない」と旦那さまに言われましたが、没落聖女なので当然ですよね』
Amazon様URL↓
https://amzn.asia/d/8qFA7Yn

 小説家になろう様掲載のこの作品が、5/17(金)発売となります。
 こちらの作品を見て頂くとわかるのですが、なろう様掲載分は2万文字程度のお話となっております。

 いわゆる短編~中編のお話なのですが、書籍化のお声をかけて頂き、約8割書き下ろしました。
 最初、なろう運営様からのメッセージを頂いた時は、アンソロジーかコミカライズかなと思いました。

 なんせ、2万文字。
 一冊の本にするには大分足りません。
 ランキングには載っていましたが、まさか2万文字で書籍化の打診を頂けるとは思わないですよね?
 でも、こうして一冊の本にして頂けることになりました。
 これは、とても夢のあることではないでしょうか。
 
 一昔前ですと、書籍化打診は10万文字以上でしたよね。
 それが、2万文字。
 短編でも書籍化して頂ける。
 10万文字を一気に書くことは困難でも、2万文字から機会がある!
 
 なのでわたしは、書籍化を目指している方々には、短編を多く書いてみてほしいな、と思います。
 書籍化の打診を頂いても、書籍一冊分約10万文字書けるかどうか不安な方は、連鎖短編などもおすすめです。
 
 今回書籍化して頂いた『「君を愛することはない」と旦那さまに言われましたが~』も、本編と、本編に出てきた重要キャラのお話と、そして本編後のお話と。
 3つの話を書かせて頂いています。
 短編を、どんなふうに書籍一冊分にするのか。
 ぜひ、読み比べて参考にして頂けたらと思います。

小説家になろう様掲載URL↓
https://ncode.syosetu.com/n3216ib/

Amazon販売ページURL↓
https://amzn.asia/d/8qFA7Yn

 また、これだけですと「新刊のCMだけでは?!」と誤解されてしまいそうなので、短編を書く時のわたしのコツなどを少々。

 わたしは、常に小説家になろう様の短編ランキングを読んでいます。
 読んでいるうちに、「あれ? この場合、こっちのパターンもあるのでは?」と思いつくことがよくあります。

 今回書籍化して頂いたお話も、書いた当時『君を愛することはないと、初夜で主人公に吐き捨てる酷い旦那』が流行っていました。
 酷いことを言って、結局そんな旦那はざまぁされるのですが、ふと、思ったのです。

「旦那様のほうに、やむにやまれぬ事情がある場合はどうだろう?」と。

 そうして出来上がったのが、『「君を愛することはない」と旦那さまに言われましたが、没落聖女なので当然ですよね』でした。
 執筆のご参考になったら、幸いです。