小説家になろうをいつもご利用頂きありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者であるSwind先生よりお便りを頂きましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。
以下、 Swind先生よりご連絡いただきました文面となります。
Swindと書いてスインドと申します。
はじめましての方ははじめまして!
そうでない方は、いつもご笑読頂きましてありがとうございます。
さて本日は、拙作『異世界駅舎の喫茶店 (
http://ncode.syosetu.com/n2046cp/ ) 』が9月10日に宝島様より刊行させて頂くことなりましたので、筆をとらせていただきました。
『異世界駅舎の喫茶店』は、いわゆる異世界グルメ作品です。
食を通じて、主人公であるタクミ&ニャーチ夫妻と駅舎や喫茶店を訪れる人々との交流をのんびりと描いております。
異世界といっても蒸気機関車の汽笛の音が鳴り響くような「近代世界」をモチーフとした舞台であり、剣や魔法があるような世界ではありません。
1980年代中盤を代表する名作アニメ「名探偵ホームズ」のような雰囲気を思い浮かべてもらえれば……え?古すぎて知らない? 失礼いたしました。
さて、本作品は『第4回ネット小説大賞(旧なろうコン)』を受賞させていただいたことにより書籍化の機会を頂くことができました。
この『小説家になろう』と出会った一年と半年ほど前、作品を投稿し始めたばかりの頃は、自作が書籍化出来るなどということは夢にも思っていませんでした。
もしタイムワープして、当時の自分に「これ、書籍化するよー」といっても、絶対信じないでしょう。
その理由は明快、なぜなら“小説を書く”ということそのものが、全くの未経験だったからです。
そんな私が、なぜ小説を書き始めたのか?
それはもう「なろうの作品を読んでいたら、自分でも小説を書きたくなってきた」としか言いようがありません。
元々本を読むことは好きでしたので、コミック、小説、自伝、その他云々もろもろ片っ端から読み漁ってきました。
しかし、紙としての本を読んでいる間は“自分も書いてみよう”とは思いませんでした。
それが、友人からの紹介でこのサイトを知り、“某累計異世界グルメ作品”を読み始めたことで徐々に変化してきます。
最初のうちこそ楽しく作品を読んでいただけでしたが、他の作品(だいたいグルメ系)にも触れ、そしてこの『小説家になろう』が見えてくるにつれ、“自分も書いてみたい”と思うようになったのです。
この気持ちの変化にはいくつか理由があると思いますが、私なりに分析をすると
・たくさんの作品が投稿され、多くの読み手書き手が集っている
→ 作品を投稿すれば読んでもらえるチャンスはある!
・感想欄やレビューなどで、読み手書き手が楽しく交流している
→ 自分もその輪の中に飛び込んでみたい!
という二つの点が大きかったように思います。
今思えば、まさに『小説家になろう』の仕掛けにハマったということですね(笑)
そして、元々の興味分野である「食・グルメ」をテーマに、自分なりのテイストを入れて書いたのが短編『異世界駅舎のまかないご飯』、そして連載版の『異世界駅舎の喫茶店』です。
ここまでの話でお分かりの通り、『異世界駅舎の喫茶店』は自分が書きたいものを書きたいように書いてきた作品です。
異世界グルメ作品というテンプレ作品のように見えつつも、舞台が近代モチーフだったり、一話の分量が山盛りだったりと、いわゆる“なろう受け”する作品の作法からは外れている部分も多々あります。
実際、このお便りを書いている現時点でもポイントはまだ4桁台と決して高くありません。
それでもこうして『ネット小説大賞』を受賞し、書籍化させて頂く機会に恵まれました。
経緯が経緯だけに“こうすれば書籍化できるよ! ポイント取れるよ!”という有用なアドバイスはできません。
ただ一つだけ言えるとすれば、それは
『難しいことを考えずに書いてみよう! 投稿してみよう!』
ということです。
作品を呼んだ方から評価や感想を頂いたことも、昨年の夏に日間ランキングを上がっていったこともこの作品を書いていたからこそ得られた経験です。
ネット小説大賞を受賞し、書籍化させて頂けたのも、この作品を投稿していなければ得られなかった結果です。
書かなければ何も始まりません。投稿しなければ目に留まることもありません。
書きたいと思ったものは何でも書いて、投稿してみる。
長編が大変なら、お試し版の短編で書いてみて探ってみるのもアリだと思います。
何かしら動いてみると必ず何かしらの“縁”が紡がれることでしょう。
私も新たな“縁”を紡げるよう、これからますます頑張ってまいります。
なんだか青臭いことを言ってしまった後で恐縮ですが、最後に少しだけ。
冒頭にもあります通り、拙作『異世界駅舎の喫茶店』が2016/9/10に宝島社様単行本として刊行となります。
(
http://blog.konorano.jp/archives/52004450.html )
書籍版ではWeb版から大幅に改稿して書き下ろし短編も追加、さらに『書き下ろしレシピ』も掲載しております。
これで作品を読んで頂いてお腹が空いたとしても、すぐに料理に取りかかれます(笑)
pon-marsh 様の素敵なイラストも必見です。
店頭で見かけた際には、ぜひお手に取ってご覧いただければと存じます。
そして、書籍化だけでなく、なんと“コミカライズ”も決定しました!
これは私自身本当にびっくりです!
頂いたご縁を大切にして、コミカライズ版でも多くの皆様を楽しませ、そしてお腹が空いて頂けるよう頑張ります!
今後の『なろうコン/ネット小説大賞』を目指される皆様に夢と希望を持っていただけるよう精いっぱい頑張って取り組んでまいります。
書籍版もコミック版も、もちろんWeb版もぜひご笑読いただきまして、そしてたくさんお腹が空いていただけましたら幸いです。
2016年残暑が続く日 Swind