2015-08-17

【お便りコーナー】第23回:天宮暁先生

小説家になろうをいつもご利用頂きありがとうございます。
この度、小説家になろう登録作者である天宮暁先生よりお便りを頂きましたのでこの場にて利用者の皆様にお伝えいたします。

以下、天宮暁先生よりご連絡いただきました文面となります。



はじめましての方ははじめまして。
いつも読んでくださっている方はありがとうございます。
天宮暁と申します。

去る7月25日に、オーバーラップノベルス様より、
『NO FATIGUE ~24時間戦える男の転生譚~①』を刊行させていただきました。
この場を借りて皆様にご報告できることを光栄に思います。

本作は「疲れない・眠れない」というチートのみを授かって異世界へと転生して無双するというお話です。

大人になると、時間がなくなります。
私も社会人になってからは、小説が書きたいのに時間が取れない! ということが続きました。
最初は気合で乗り切れとばかりに睡眠時間を削ってパソコンに向かったりもしたのですが、それが長続きするわけもなく、結局は仕事と睡眠時間を天引きして残りの時間で細々と書き続けていくことになりました。

そして、それからN年が経ちました。
「小説家になろう」なるサイトで転生モノが流行ってると知って読み始めたところドハマりし、貪るように転生モノを読んでいきました。
そして、自分でも転生モノを書いてみたい! と思うに至ったのですが、、「自分が異世界に転生するとしたらどんなチートがほしいだろう?」と考えて真っ先に思い浮かんだのが、「疲れない・眠らない」能力でした。

もし不眠不休でスポーツの練習ができたら? 勉強ができたら? 仕事ができたら? 小説が書けたら?
そんな私の妄想を異世界へと持ち込んだのがこの作品『NO FATIGUE 24時間戦える男の転生譚』です。

「疲れない」を切り口に、まっとうに(?)努力してスキルを身につけ、そのスキルを使って強敵と渡り合っていくシリアスなパートと、同じく「疲れない」ところから来るコミカルなパートを、どちらも大事にバランスを取りながら書くよう努めて参りました。

それがうまく行っているかどうかは読者の皆様のご判断にお任せいたしますが、まだの方はぜひなろう版でも書籍版でも結構ですので覗いてみていただければ幸いです。

もし書店のノベルスコーナーに立ち寄られた際には、絵師・夕薙様による拙作にはもったいないくらいの美麗な表紙(水色系の涼しげな表紙です)と「NO FATIGUE」の文字が目印ですので、ぜひお手にとってみてください!


さて、この場は「セミプロ・プロになったなろう作家からの「アドバイス」」を募集されているということですので、何かお力になれることがあればと思って考えてみました。

とはいえ私は、「小説家になろう」という優れたプラットフォームと、そこに集う読者の皆様のお力を借りて、ようやく1冊の本を出版できた人間だと思っていますので、「控えおろう、ここにおわすはプロの作家様であるぞ!」「ハハー!」みたいなことはちょっとなと。

ただ、実のところ、「アドバイス」できるノウハウには心当たりがあります。
「転生モノの序盤」に限った私の個人的なノウハウなのですが、案外この通りにやれば連載のいいスタートが切れるのではないかと思っていますので、参考までに書いてみます。

それは、一言で言うなら、「物語の基本ルールをとにかく早めに提示し、最短距離で無双させる」です。

物語の基本ルールというのは、具体的には主人公のチート能力ですね。
チート能力は物語の方向性を決める最大の要素なので、そこがわかると読者は、その話が「どういう話なのか?」を見通すことができるようになります。
NO FATIGUEでは「疲れない・眠らない」がそれにあたります。

絶対ダメというわけではないと思いますが、主人公のチートを謎にしたまま引っ張っていると、物語の方向性がなかなか見えてこず、その物語からどのような楽しさを期待できるのかが読者にわかりにくくなってしまうと思います。
(もちろん、絶対ではないです。うまくやっていらっしゃる方もいると思います。)

次に「最短距離の無双」についてです。

未成年の方にはわかりにくいたとえで申し訳ないですが、居酒屋ではお通しと言って、席に着いた客に注文していない小皿が届けられます。
とりあえず一口食べると人間は落ち着くというところから来ているおもてなしの文化のようです。(きっちりお通し分も料金に入ってるんですけどね……。)

というわけで、基本ルールがはっきりしたらさっそく主人公に無双をさせるのがいいと思います。
スライムやゴブリンから順にレベルアップしていくか、いきなり強敵をぶつけるかは趣味にもよりますが、後者の方が物語に起伏ができるので、書籍化を狙いたい方はそちらのほうが早道かと思います。

ここまでを順調に進めると、この作品の提供する楽しさの方向性を、読者にひととおり体験してもらうことができます。
この体験期間、チュートリアル期間の満足度を高めると、読者が定着してくれるのではないかと思っています。
お通しが美味しければこれから運ばれてくる他の料理にも期待ができるというものです。

また、ここまでは、満足度だけでなく速度も大事だと思います。
物語の最初は、とかくいろいろ説明したくなるものですが、そこは思い切って後に回してしまい、最初の無双まで突っ走るのがいいのかと。そこまでで読者を脱落させてしまうのはもったいないですからね。
個人的には10~15話くらいまでに最初の無双(=お通し)があると一服できていいなと思いますが、そこは人それぞれかもしれません。

そして、うまくいけばこの時点で週間ランキング、月間ランキングに食い込めると思います。
この辺りで、どこかの出版社からお声がかかる可能性が現実的になってくるようです。

――とにかく入口をわかりやすくして最初の無双まで最短距離で連れて行く。

どんな作品にも当てはまるかどうかはわかりませんが、NO FATIGUEを立ち上げた時に考えていたのはそれでした。
実際、私が読者としてなろう作品を読むときも、これをしっかりやってくれている作品は読みやすいと感じます。

チートに関しては、それぞれの作者の知識や経験や性格や価値観(すなわち人生!)が出てくるものなので、話の組み立て方さえ間違えなければ、「すべての」チート転生モノは面白く読めるはずだと私は思っています。

その意味では「チート転生」というジャンルは偉大な発明で、まさに誰もが「小説家になろう」を実現できる画期的なジャンルなのだと思います。

とくに書籍化したいとは思っていない方や読み専の方も、お遊びのつもりで一度転生モノを書いてみると、「なろう」ライフがぐっと充実するのではないかと思います。
また、私自身いろんな人の書く転生モノを読んでみたいです!


さて、書籍化したので読んでくださいと書くつもりが、読みたいから書いてくださいという話になってしまいましたが、オーバーラップノベルスより発売中の『NO FATIGUE ~24時間戦える男の転生譚~①』、どうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは、作品で。

2015年8月
天宮暁
categoryお便りコーナー  time16:26  authorrame